仕事で毎日使うのに、誰も教えてくれない「メールの文章術」。文面次第では、職場の同僚から「頭が悪い」と思われてしまう。そこで、本稿では、『気のきいた短いメールが書ける本』より内容の一部を紹介する。(執筆・構成/根本隼)
下手な文面のメールを送ると「頭が悪い」と思われる
皆さんは、同僚や取引先とのコミュニケーションにどんなツールを使っているだろうか? LINEやメッセンジャーのようなアプリを使うケースも増えてきたが、「基本はメール」の人が多数派だろう。
一般社団法人日本ビジネスメール協会が発表した「ビジネスメール実態調査2022」によると、仕事で使っている主なコミュニケーション手段の第1位は「メール」だった。
あらゆる仕事がメール連絡をもとにして進行するようになったため、端的にわかりやすく、かつ相手に不快感を与えないような「礼儀正しいメール」を書けることが全ビジネスパーソンに求められている。
言い換えれば、稚拙な文面のメールを送ると「頭が悪い」「仕事ができない」と相手に思われてしまうリスクがあるということだ。
メールを素早く作る技術は必要不可欠
さらに、前掲の調査によると、1日の平均メール送信数は「16.27通」だったという。
1日にメールを16通送るとすると、1件作成するのに5分かかる人と10分かかる人とでは、合計80分もの時間差が生じる。そのため、メールの作成や返信にかける時間を短縮できる人ほど、仕事の効率を高めることができるのだ。
そこで大いに役立つのが、累計10万部を突破したベストセラー『気のきいた短いメールが書ける本』。本書は、失礼のない返信・アポ取り・お詫び・感謝・依頼・催促など、仕事上のあらゆるシーンに対応できる「気のきいたメール術」を伝授する1冊だ。
『気のきいた短いメールが書ける本』の鉄板フレーズ
× 用事ができてしまいました。
〇 どうしても都合がつかなくなりました。
「用事ができてしまった」と書くと、後から入った用事を優先したように聞こえ、相手が不快感を抱いてしまう。詳細は説明せず、やむをえない緊急の要件が入ったという書き方がベターだ。
たいへん申し訳ありません。
20日のお約束、都合がつかなくなりました。
22日もしくは24日の同時刻に変更は可能でしょうか。
上記のようにお詫びを最初に書くことで、こちら側の切迫感と申し訳ない気持ちを表現でき、また代替候補の日時を挙げておくことでやり取りの回数を減らすこともできる。
さらに、以下の「ちょい足し」表現も、相手の心を思いやる姿勢を示すのに有効だ。
お忙しい中、せっかくご予定いただきましたのに、本当に申し訳ありません。
次回以降は、『気のきいた短いメールが書ける本』より、具体的な仕事の場面に対応したメール術を紹介していく。