急ぎの仕事、安い仕事、たいへんな仕事など、無理をお願いしなければならないときの書き方ときはメールの書き方に困りますよね。どんなふうに書くのがいいのでしょうか?(本連載は、中川路亜紀著『気のきいた短いメールが書ける本』からお届けしています)

【急なお願いをすることに…】<br />仕事のメールで「無理をお願いするとき」の正解とは?Photo: Adobe Stock

無理をお願いする

 無理をお願いしなければならないときにはどのようにメールを書くのがいいのでしょうか?「最短メール」「ありがちな表現」「気のきいた短いメール」と「お願い文の例」をお伝えしていきます。

【最短メール】
資料の作成に時間がかかってしまいました。
たいへん申し訳ありませんが、
明日までに内容をご確認いただけますと助かります。

 添付ファイルでつけた書類の確認を急ぎでお願いする文面。気心の知れた相手なら窮状を察して助けてくれます。気をつかう相手には×です。

【ありがちな表現】「ご無理」の微妙なつかい方
× ご無理を申しまして、申し訳ありません。
〇 無理なお願いを致しまして、申し訳ありません。

 自分が無理を言うのだから「ご」をつけるのはおかしいと思う人が多数派です。

 ただし相手が無理をしなければならないこと(相手のご無理)をお願いするという意味での「ご無理をお願いしまして」は可。○の「無理な」は自分のお願いにつく形容詞なので「ご」はつきません。

【気のきいた短いメール】文例
○○社の山本です。
いつもお世話になっております。
実は、急なお願いがあり、ご連絡を差し上げました。

明後日にお客様と弊社の打ち合せを予定しておりますが、今日になって、
メーカーご担当者にもご同席いただきたいとのご要望が、お客様からありました。

突然のことでたいへん申し訳ないのですが、
どなたかおいでいただける方はおられるでしょうか。

折り返しのご連絡をお待ちしております。
なにとぞよろしくお願い致します。

 こういう場合は、まず電話連絡ができればよいのですが、相手がつかまらないときはメールを送り、件名に【至急】とつけておくと気がついてくれるでしょう。

お願いするときの文章例

急なお願いで申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願い致します。
日にちがなくてたいへん申し訳ないのですが、1週間ほどで内容をご確認いただきたくお願い致します。
→気をつかう相手には、「ご確認いただくことは可能でしょうか」などと、遠慮を含めた言い方にします。
ご多忙のところ、無理なお願いで誠に恐縮ではございますが、今月中をめどにお進めいただけましたら幸いです。
→カッチリとは言いにくい相手への締切の提示。
誠に厚かましいお願いではございますが、なんとかご協力いただきたく、平にお願い申し上げます。
→「平に」とは、平身低頭して懇願しているようすを表現しています。顔文字なら m(_ _)m こんな感じ。
些少なご謝礼で誠に失礼ではございますが、ご執筆をお願いできましたら幸甚に存じます。
→「些少」とは、とるに足らないほど少ないという意味で、謝礼などの額をへりくだって表現する言葉。
細かいことが多くご面倒をおかけしますが、どうぞよろしくお願い致します。
→細かい注文をたくさんつけてしまったメールの結びに。
この期に及んでたいへん申し訳ないのですが、タイトルの変更をお願い致します。
→最後に上司からNGが出てひっくり返るということはよくあること。言い訳をしないでお詫びします。