開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺の進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。
ひとりっ子ほど、親の言うことをよく聞く
ひとりっ子はわがままだとよく言われます。確かに、争う兄弟姉妹がおらず、王様・お姫様でいられるのだから、わがままな一面もあるでしょう。
しかし、ひとりっ子は、実は親の言うことをよく聞きます。というのも、外部環境を除けば、自分のまわりに頼れる相手は親しかいないケースが多いからです。
親の言うことを聞く力があるひとりっ子は、助言次第で大きく伸びます。一方で、悪い影響を及ぼすようなことは口にしないよう注意が必要です。
親の言動を見て、ひとりっ子は育つ
親が気づかずにひとりっ子に言ってしまうNGワードは、たいてい、親の勝手な理想から出てきます。
はじめての子どもに対して、親は期待が大きいのと、わかっていないことが多いのとが相まって、子どもに無理を言いすぎるのです。
とくに、真面目な親ほど、本に書いてあるような理想パターンを子どもに求めます。
子どもにはそれぞれ個性があるのに、それを無視した指示を出され続ければ、相当つらいはずです。
それでもひとりっ子は親の言うことを聞くので、親自身も子どもの本音に気づかぬままに突き進んでしまいます。
ひとりっ子の「親の言うことをよく聞く」という特徴に親は甘えず、その特徴をいい方向に用いてあげましょう。
視野を広げる機会をたくさん作る
そのためには、親自身が視野を狭くしないことが大事です。ときには、祖父母をはじめ、近所のおじさんやおばさんなど、「親以外の大人の意見」もわが子に聞かせてあげましょう。
なお、父親と母親の関係も重要です。夫婦仲がいいか悪いかは別として、子どもにお互いの悪口を聞かせるようなことはしてはいけません。繰り返し述べますが、ひとりっ子は親の言うことをよく聞くのですから。
また、子どもに助言するときは、そのときどきの役割を意識したほうがいいでしょう。
叱る役、褒める役、手懐ける役、客観的な役……親の言うことをよく聞くひとりっ子に対し、さまざまな角度からアドバイスしてあげましょう。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)