金正恩総書記北朝鮮内の旧統一教会の企業は、米国や日本など、世界中の旧統一教会系の企業とネットワークをつくってビジネス活動をし北朝鮮にドルを流し続けてきた。 写真:朝鮮労働新聞HPより

北朝鮮では国全体に“浸透”
平壌市内に巨大拠点施設

 旧統一教会(世界平和統一家庭連合)と政治の不透明な関わりに批判が強まるが、岸田文雄改造内閣では大臣、副大臣らの政務三役のうち少なくとも30人が旧統一教会から選挙応援を受けるなどの何らかの接点があり、「統一教会汚染内閣」との批判が上がる。

 だが北朝鮮では国全体に旧統一教会が浸透していると言ってもいい状況だ。

 濃密な関係を示唆する風景は北朝鮮国内であちこちに見える。

 平壌市を流れる大同江と普通江が合流する平川区域、周囲の旧式建物とはつり合わない超近代的な建物もその一つだ。

 1万坪の敷地に延べ面積2741坪を誇る地下1階、地上5階のこの施設は旧統一教会の平壌拠点、「平壌世界平和センター」だ。

 800席規模の大型宴会場2つを含め多目的ホール、大小会議室や宿泊施設を備えたセンターの3階には大型礼拝堂がある。

 施設には日本から牧師も派遣され、常駐するという。

 建国の祖、金日成氏の主体思想以外いかなる思想の流入も許さず、金日成氏以外の偶像崇拝は反逆とみなす北朝鮮で、旧統一教会が礼拝堂を造り牧師派遣までできたのはなぜか。