大阪府高槻市で昨年7月、保険金目的で高井直子さん(当時54)を殺害したとして、殺人と詐欺未遂などの疑いで逮捕されていた養子の凜容疑者(28)が1日、福島署の留置施設で首をつって自殺した。府警の留置管理を巡っては2018年にも、富田林署から樋田淳也受刑者(34)=強盗致傷や強制性交など計20件の罪で懲役17年が確定=の逃走を許し、厳しい批判を浴びた。府警が失態を繰り返したとも言えるが、実は留置施設での自殺は少なくなく、留置管理の難しさも浮き彫りとなった。(事件ジャーナリスト 戸田一法)
女装で外出したり
殺し屋を探す不可解
高槻市の事件は昨年7月26日、高井さんが自宅の浴槽で右手首に結束バンドを巻かれた状態で死亡しているのが見つかり、府警が殺人事件として捜査を開始。今年7月20日、高井さんと養子縁組届を出した際に証人をねつ造したとして、有印私文書偽造・同行使の疑いで凜容疑者を逮捕した。
同8月25日には、高井さんを浴槽で溺れさせて殺害し、保険金計1億5000万円をだまし取ろうとしたとして、殺人と詐欺未遂の疑いで再逮捕。事件性が疑われ保険金は支払われなかったが、養子として約1億円の遺産を相続していた。
全国紙社会部デスクによると、凜容疑者は殺人と詐欺未遂の容疑について黙秘していたが、高井さんが死亡したとみられる昨年7月22日、東京の自宅マンションから女装して外出。何度も服を着替えながら大阪まで移動する姿があちらこちらの防犯カメラに写っていた。