ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。新刊『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

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オーストリアってどんな国?

 オーストリアはヨーロッパ大陸のほぼ中央に位置し、ドイツやイタリア、チェコハンガリーなど8ヵ国に囲まれた内陸国です。

 国土の約3分の2をアルプス山脈が占め、切り立った雪山や氷河、山腹の牧草地など、豊かな自然に恵まれた国です。

 北部をドナウ川が西から東へ貫流し、首都ウィーンはドナウ川流域の盆地にあり「芸術の都」として有名です。

 18世紀を代表する音楽家のモーツァルトも、ここウィーンで天才的な音楽の才能を発揮し、ピアニスト、作曲家として名声を博しました。

「オーストリアってどんな国?」2分で学ぶ国際社会

約600年間、ヨーロッパ随一の貴族・ハプスブルク家が統治

 13世紀後半からこの地を支配したハプスブルク家は、フランス王妃となったマリー・アントワネットに代表されるように、ヨーロッパの王室間の姻戚関係を通して、大きな影響力を持ってきました。

 第一次世界大戦に敗れて、ハプスブルク家の帝国は崩壊し、第二次世界大戦時はナチスドイツに併合されました。

 戦後は米英仏ソの4ヵ国の分割占領を経て、1955年に永世中立国として独立を回復しました。

 ウィーンには、IAEA(国際原子力機関)やUNIDO(国連工業開発機関)など国連諸機関の本部が置かれ、オーストリアは国連の平和維持活動に積極的に取り組んでいます。1995年にEUに加盟しました。

 アルペンスキーが盛んで、スキーリゾートが多数あります。スキーのメッカ、キッツビュールには、スキーW杯のダウンヒル(滑降)コースにもなっているハーネンカム山があります。

オーストリア共和国

面積:8.4万㎢ 首都:ウィーン
人口:888.5万 通貨:ユーロ
言語:ドイツ語(公用語)、トルコ語、セルビア語
宗教:カトリック57%
隣接:ドイツ、チェコスロバキアハンガリースロベニア、イタリア、スイス、リヒテンシュタイン

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)