ニュースで見聞きした国、オリンピックやW杯に出場した国、ガイドブックで目にとまった国――名前だけは知っていても「どんな国なのか?」とイメージすることは意外と難しい。『読むだけで世界地図が頭に入る本』(井田仁康・編著)は、世界地図を約30の地域に分け、地図を眺めながら世界212の国と地域を俯瞰する。各地域の特徴や国どうしの関係をコンパクトに学べて、大人なら知っておきたい世界の重要問題をスッキリ理解することができる画期的な1冊だ。この連載では、本書から一部を抜粋しながら、毎日1ヵ国ずつ世界の国を紹介する。

「グリーンランドってどんな国?」2分で学ぶ国際社会Photo:Adobe Stock

グリーンランドってどんな国?

 カナダの北東にあるグリーンランドは、デンマークの自治領で、北は北極海、南は大西洋に挟まれた世界最大の島です。

 大部分が北極圏にあることから、全島の約80%は氷床に覆われています。

 地図の種類によっては、オーストラリアよりも大きく見えるものもありますが、これは図法によるゆがみが原因で、地球儀の重要性を伝えるための話題によく使われます。

 グリーンランドの名前は、10世紀頃のノルウェー生まれのアイスランドバイキング・赤毛のエイリークに由来します。

 彼は以前に、ヨーロッパ大陸に近い島を発見していて「アイスランド」と名づけたところ入植する者が現れなかったことから、新たに見つけた大きな島を「グリーンランド」つまり「緑の島」と名づけました。

 第二次世界大戦後、近代化を求め市民運動が起こり、1979年に自治政府が発足しました。

 住民の多くは先住民のイヌイットで西海岸に集中しています。フィヨルドが多く、陸路の整備が困難なため、都市間の主な交通手段はヘリコプターや航空機です。

 夏季にとけ出す氷には多量の栄養分が含まれ、グリーンランド周辺の海は魚介類の宝庫です。とくに貝やエビは漁獲量が多く、日本にも輸出されています。

 近年では島に埋蔵されている石油や鉱産資源の開発に期待が集まっています。

グリーンランド

面積:216.6万km2 首都:ヌーク
人口:5.8万 通貨:デンマーク・クローネ
言語:グリーンランド語(公用語)
宗教:福音ルーテル派

(注)『2022 データブックオブ・ザ・ワールド』(二宮書店)、CIA The World Factbook(2022年2月時点)を参照

(本稿は、『読むだけで世界地図が頭に入る本』から抜粋・編集したものです。)