さらに、自律神経の乱れが体温の上昇を引き起こすこともある。子どもの場合は、汗腺が未発達のため体温が高くなりやすいのも特徴だ。ただし運動や入浴、食事によって一時的に体温は高くなる。体温測定のタイミングによっては誤差が出るだろう。

 また、女性は性周期によって体温の変化が現れやすい。女性特有の体温の上昇については、次のような原因が考えられる(参考:『ヒトにおける体温の意味と意義』 永島計、中村真由美著、人間科学研究第25巻第1号,2012)。

・更年期による冷え性で、体温が下がりやすくなる
・更年期によるホットフラッシュで、体温が高くなる
・黄体期(月経周期の排卵後から次の月経までの2週間程の期間)に、体温が平熱より高くなる

 上記のほか、妊娠中に体温が高くなる場合もある。基礎体温を測って自分の体のデータを蓄積し、体調の変化に速やかに対応できるようにしている女性もいる。

 体温の上昇は必ずしも疾患を原因とするものではないが、身体の体温調節機能がうまく働いておらず、身体に負担がかかっている可能性がある。平熱よりも体温が高くなっているときに無理は厳禁。休息を取ったり、改善が見られない場合は医療機関に相談したりするのが安心だ。

体温の低下も意外に怖い
心と体に異変が起きているサインかも

 次に、体温が下がっているときに考えられることを紹介する。発熱と比較すると体温が低いことはあまり重要視されていないのではないだろうか。ところが書籍『シリコンバレー式 超ライフハック』では、「体温には甲状腺の機能が反映されていて、低すぎるのは甲状腺機能不全のわかりやすい特徴だ」と、疾患に伴う体温低下を指摘している。