金融市場が大荒れとなる中でも資金の逃避先を提供するとうたったファンドにマネーが再び流れ込んでいる。ただ、こうした「低ボラティリティー」ファンドは、新型コロナウイルス流行が深刻化していた時期に、期待されていたような実績を出せなかった「前科」がある。「低ボラ」と称する投資信託や上場投資信託(ETF)には今年、約65億ドル(約9300億円)が流入しており、年間ベースで2019年以来の流入超となる見込みだ。モーニングスター・ダイレクトが分析した。低ボラファンドは、値上がり・値下がり双方向での1日当たりの株価変動が最も小さい銘柄を組み込むことで、市場全体が乱高下する中でも安定したパフォーマンスが期待できるとしている。そのため低ボラファンドは公益、消費財、不動産会社など、景気浮沈の影響を受けにくい業種で構成される傾向がある。