「5年後の年収」を試算する独自ランキング第3弾では、直近の平均年収が1000万円超である高年収企業の予想年収を明らかに。特集『高年収&高収益 勝ち組企業大解剖!儲けの秘密と本当の待遇』(全18回)の最終回では、厳選27社の5年後年収の増減額でランキングし、明暗を浮き彫りにした。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
高年収企業の「5年後」を試算!
厳選27社の予想年収&増減額が判明
日本人のおよそ20人に1人――。国税庁が9月28日に発表した2021年分の民間給与実態統計調査によれば、民間企業で働く人の中で年収が「1000万円超」に該当する割合は4.9%しかない。
実際、「平均年収1000万円」は、上場企業であっても限られた存在だ。では、彼らは今後も「年収の勝者」であり続けられるのだろうか。
その疑問の答えを探るべく、本稿では第1弾(本特集#13『有名企業「5年後の年収」独自予想ランキング【上位100社】3位中外製薬、1位は?』)、第2弾(#16『低年収企業「5年後の年収」独自予想ランキング!業績不調企業のリベンジなるか!?』)に続き、専門家の協力を得て「5年後の年収」を独自に試算した。
今回は、対象企業から直近(2021年度)の平均年収が1000万円を超える27社を抽出。選ばれし高年収企業について、21年度と比べた5年後の予想年収の増加額が大きい順に並べている。
結果を一部明かすと、予想年収の増加額3位は半導体大手のアドバンテスト(年収増加額は146万円)。2位は不動産大手の東京建物で、147万円増える見通しに。1位に輝いたのも不動産大手で、予想年収は2000万円に迫るほどだ。一方、足元は絶好調だが、5年先の年収が200万円以上も減る予想の企業も。
なお第1弾、第2弾と同様、ランキングは項目名をクリックすると昇順・降順で並べ替えが可能。「21年度の予想年収」や「(5年後の予想年収を21年度と比べた)増減額」などで、それぞれの順位が確認できる。社名や証券コードでの検索が可能で、業種で分類も行える。
ランキング対象の母集団は、国内上場企業から持ち株会社と変則決算の会社を除く約3200社(データ提供:東京商工リサーチ)。この中から、過去10期分の年収と営業利益の相関性などを基に好業績(業績悪化)で給料が上がりやすい(下がりやすい)傾向がある2640社を抽出。さらに、市場が予想する5期先までの営業利益データが取得可能な556社に絞った。
そして、各企業を上場市場がプライムかどうか、日経平均株価の銘柄かどうかや本社所在地、平均年収の金額などでカテゴリー化。各カテゴリー、営業利益および年齢を用いた重回帰分析によって予測モデルを作成し、5年先の年収と21年度比較の増減額を浮き彫りにした。
東京エレクトロンやレーザーテック、キーエンス、ファナック、武田薬品工業、アステラス製薬、第一三共、大林組、鹿島といった高年収企業の5年後はどうなるのだろうか。また、ランキングでは世間的には知名度の低い意外な顔触れも――。次ページで、そんな独自ランキングを大公開する。