現代のねこブームを遥かにしのぐ江戸時代の「大ねこブーム」、 熱狂ぶりがわかるグッズの数々Photo:PIXTA

 時速50キロで走る、嗅覚は人間の10万倍、1.5メートル以上跳ぶ……。ねこの調査研究を行っている動物学者・山根明弘氏が、優れた身体能力や感覚器の鋭さから人間の治癒力まで、ねこの“すごい”生態を解明した一冊『ねこはすごい』(朝日文庫)から、江戸時代にもあった「大ねこブーム」について一部抜粋・再編してお届けする。

ねこブームは、昔からあった!

 現在は空前のねこブームともいわれています。テレビをつければ、たくさんのCMにねこが出演し、ねこをテーマにしたテレビ番組が毎週のように放映されています。書店に行ってみると、毎月のように新刊のねこ写真集やねこ本が発行され、「ねこコーナー」に平積みにされています。

 少し前までは、大都市にしかなかったねこカフェも、最近では地方都市でも普通に見かけるようになりました。また、各地のデパートでは、写真家の岩合光昭さんの作品をはじめとする、ねこの写真展が女性客を中心に大変なにぎわいをみせています。ここ数年は、美術館や博物館の業界でも、ねこの絵画や浮世絵を中心に展示するいわゆる「ねこ展」が各地で企画され、どこでも大ヒットし、これまでの入館者数記録を更新する館もあるほどです。