あの人にされたこと、言われたこと、嫌だったこと、悲しかったこと、悔しかったこと……あの人のやったことを許してしまうと、あの人のやったことを認めるようで怖くなってしまうかもしれません。
 失ったものをあきらめてしまうようで、悔しくなることもあるでしょう。

 このように感じているあなたは、もう十分にあの人を許して生きてきたはずです。自分の心を犠牲にしてまで相手を許してきたあなたに、これ以上何をどう許せと言うのでしょうか。
 まだ許せないなら、許せないでいいのですよ。ずっと頑張ってきたあなたが、これ以上「頑張って許す」必要はありません。

【3つめ】
 あなたの心と体を壊さないためです。
「許せない」と悩む人の多くは、すでにたくさん我慢しています。
 自分の気持ちに蓋をして、空気を読んで、相手に合わせて……そうしているうちに、あなたの心と体が限界に達したのではないでしょうか。
 ギリギリまで頑張って、心がボロボロになるまで耐えて、何度も信じて、それでも裏切られて……優しいあなたが「許せない」と思うほど今まで耐えてきたのではないでしょうか。

 これまで耐えて我慢してきたあなたが、やっと「許せない」と思えるようになったのなら、それは前進です。
「許せないと思うことが辛い」というのなら、「心と体を壊さないために、今はまだ許せない」「どうせいつか許すけれど、今はまだ許せなくていい」と思ってみてください。これだけで少し、罪悪感が薄れることがあります。

 許すかどうかはもちろん、許すタイミングもあなたが決めていいのですよ。
 そのタイミングが「今」の人もいれば、何年も後の人もいます。
 許そうと思うタイミングがずっと来ないこともありますが、それはそれでいいのですよ。あなたにとって、それほど大きな出来事があったということですから。

 まずは、「あの人を許せない」と思っている自分を許すこと。
「許せ」「許すべき」という世間のプレッシャーに、飲み込まれないでくださいね。