「サンスター心身健康道場」が社員に与えるもの
「サンスターコミュニケーションパーク」という名称は、サンスターの社員と地域住民との交流(コミュニケーション)を目指して命名されたものだ。「パーク(公園)」という言葉のとおり、芝生広場やカフェ・レストランなどのオフィスビルの1階部分は、社員や企業関係以外の人も来訪できる“一般開放”を予定しているが、現在は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために延期となっている。
しかし、2階・3階の社員執務エリアでは、当初の計画どおり、社員間の交流(コミュニケーション)がつつがなく図られているようだ。テレワークでは成し得ない、人と人とが接する“リアルな空間”が広がっていた。
「フリーアドレスなので、偶然的なコミュニケーションがとりやすいですね。ただ、マスクをしている状態なので、一度も会ったことのない人に話しかけるのはハードルが高いかもしれません。フリーアドレスの良いところは、たまたま隣り合った人に自分の仕事を伝えられること。オフィス勤務だからこそ成し得る出会いや気づきもあるでしょう」(井上さん)
改めて、サンスターコミュニケーションパークのプレスリリースを確認すると、“環境配慮と社員の健康を考え、新しい働き方を実現へ”という見出しがあった。井上さんからも「健康」という言葉が繰り返され、社員執務エリアの一角には「常に人々の健康の増進と生活文化の向上に奉仕する」という社是が掲げられていた。また、社員用トイレには、歯磨きをするための個別スペースがあり、マウスウォッシュ(洗口液)を自由に使用できる装置が常備されている。
快適なオフィス環境の目的のひとつが、社員の健康維持であり、健康が良質な仕事につながるという、サンスターならではの明確な意思がうかがい知れた。人事部の中村雅子さん(人材開発グループ長)は「健康に対する、社員への手厚く温かい施策は他社さんよりも進んでいるはず」と語る。
「コロナ禍の影響もあって、世界規模で、“健康”がよりいっそう重要になっていますね。社員の健康に配慮した職場かどうかで企業の良し悪しを判断する学生さんも増えているようです」(中村さん)
社是にある「健康の増進」を実証するために、サンスターには重要な施設がある。1985年に福利厚生施設として開設した「サンスター心身健康道場*2 」だ。サンスターコミュニケーションパークから1駅離れた場所にあり、「食事」「身体」「心」の3つの視点から心身の健康バランスを保つように、宿泊型の健康指導プログラムなどを提供している。サンスターの社員は、入社時と35歳の時に、そのプログラムを受講するほか、定期健康診断の結果に応じて、施設を訪れるという。また、サンスターコミュニケーションパークのカフェ・レストランでは、心身健康道場が監修する食事メニューもあり、誰もが“健康”を常に意識することができる。「健康関連事業に携わる社員がまず健康であるべき」という創業者の意思が、サンスター心身健康道場の存在で、社員の中にしっかり根づいているのだ。
*2 サンスター心身健康道場は、忙しい日々の中で忘れてしまいがちな「食生活や心身の歪み・クセ」に気づくことが、健康への第一歩と考えています。その気づきをもとに、『食事・身体・心』それぞれの角度から健康維持・回復へアプローチし、人間が本来持っている真の健康力(自然治癒力)を取り戻していく場所なのです。(ホームページより)