IoTの技術も駆使した、2フロアの社員執務エリア

「オフィスらしくないオフィス」が、サンスターと建築会社の4年におよぶ協業で生まれた“サンスターコミュニケーションパークのコンセプト”だ。開設からおよそ1年半――建物の仕様・性能・取り組みなどを評価する「CASBEE-ウェルネスオフィス認証」の最高評価(Sランク)を取得し、2021年度のグッドデザイン賞も受賞。そうした対外評価のとおり、各フロアの構造は、細部の細部まで考えつくされたもので、レイアウトを最大限に生かした什器類が目に留まる。

 平成から令和にかけて、IT企業のオフィスや公共施設、大学の新キャンパスなど、「滞在の快適さ」を追求した空間が雨後の筍のように誕生しているものの、サンスターコミュニケーションパークの社員執務エリアのように“フロアの上下移動のストレスなく、さまざまに居場所を変えられる造り”はそうそうないだろう。ビーズクッション、収納力を兼備したチェア、多種多様な可動式テーブル、防音の個人ブース……社員の望む利便性への配慮と工夫がそこかしこにあり、オフィス内を巡るのが楽しく心地よく感じられた。

 また、サンスターコミュニケーションパークの社員執務エリアがIoTの技術を駆使していることも忘れてはならない。

「オフィスの中に固定電話はなく、全員が社用のスマートフォンを携帯しています。スマホにはいろいろな機能が装備され、社員同士でお互いの居場所がリアルタイムで分かるほか、自分が働いている場所の暑さ・寒さを申告できる“申告型空調制御*1 ”を実現しています」(井上さん)

*1 社員各自の申告がシステムで集計され、当日の天候などを加味したうえで、フロアの設定温度などが自動調整される。