【具体的なお悩み】 
私は貿易の仕事をしていて、若い頃から海外在住ですが、60歳で日本に帰国しようと考えています。

帰国後は、実家のある大阪にアパートを借りて一人暮らしをする予定です。両親への金銭的援助は不要です。

ただ実は、日本で国民年金の未払い期間があるため、受給額は月額4万円のみの予定です。

現職には厚生年金はなく、退職金もありません。現在居住している国の年金は、外国人が加入できないのでありません。

そうした事情もあり、帰国に合わせて転職を検討しています。なるべくフルタイムで働くつもりです。

英語・中国語などが得意なので、何かしらの仕事はあると思いますし、可能であれば70歳くらいまで働こうかと考えています。働ける場所があれば、70歳を過ぎても働き続けたいとも考えています。

ただ、年金がほぼないことが気掛かりです。海外に住んでいる今のうちから貯蓄を積み増したいのですが、すでにかなり節約しているので、正直これ以上は削りようがありません。

帰国後は語学力を生かした副業を始め、さらに収入を増やすことも視野に入れています。一方で、ボランティアやジョギングなど、人生を楽しむ時間も確保したいので迷いどころです。

老後の生活を考慮すると、そんなことを言っていないで、収入を増やす努力するべきでしょうか?

年金がほぼない状況下で老後を過ごすには、どうすれば良いか試算をお願いいたします。

帰国したGさんの
60歳時点での資産はいくら?

 早速、試算を行いながら、ご相談に答えていくことにしましょう。
 
 Gさんの年収は日本円で700万円、年間支出は480万円(40万円×12カ月)ですから、年間収支は220万円の黒字です。

 この220万円を全額貯蓄に回した場合、今から60歳までの6年間で1320万円を貯めることができます。

 Gさんには退職金がありませんので、現在保有する金融資産額2600万円に、この1320万円を加えた3920万円が、60歳時点での全財産だと仮定できます。

 ただし、海外の家を引き払う費用、帰国に際しての渡航費、日本で新たに住む家の初期費用などの臨時支出が発生するはずです。

 これらが計200万円かかるとすれば、60歳時点での金融資産は3720万円程度になっているでしょう。