日本人の「女性は家を守る」呪縛の根源は?専業主婦と働く女性の論戦が勃発写真はイメージです Photo:PIXTA

「専業主婦」vs「働く女性」、女性同士で煮え切らない思い

 専業主婦は24時間休みなく働いているので、家事育児代行の時給に照らし合わせると、年収1314万円分の仕事をしている――。

 先日、ある市長選に立候補予定の女性が、こんな内容のツイートをした。ほどなくして削除されてしまったが、この主張についてはさまざまな議論がわきあがった。タレントのフィフィさんもそのひとりで、こんなツイートをして話題になった。

<専業主婦の労働を時給にすると1,500円で、24時間働いていることになるから…って算出して、私たちは大変なの!ってツイート見たけど、稼ぎたいなら外で働けばいいじゃない。家事も育児も独りでやって、さらに外で働いている私からしたら、こうした愚痴を何のためにツイートしているのかが分からない。>(参照

 これには大きくうなずく、「外で働く女性」も多いのではないか。ブラック労働ぶりでいえば、男性が家事や育児を手伝わないワーキングマザーの方が専業主婦よりもはるかに過酷だからだ。

 フルタイムで働いて退社してから、保育園まで自転車をすっ飛ばして子どものお迎えをして、スーパーで買い物をして、食事を作って子どもに食べさせる。そこから、洗濯や掃除をして、子どもを寝かせつけてから、夜遅くまで会社の仕事をして、わずかな睡眠時間で朝食をつくって再び満員電車へ…なんて女性は今や日本中にあふれている。

 総務省によれば2021年の共働き世帯は1247万世帯で、専業主婦世帯は566万世帯となっている。つまり、冒頭で言う「年収1314万円換算の専業主婦」よりもはるかにハードに働く女性などゴマンといるのだ。