国連が後ろ盾となった金融機関の有志連合に参加する米銀大手の「反乱」は鎮められたものの、生じた亀裂は、温暖化ガス排出量の実質ゼロ(ネットゼロ)に向けて必要な巨額資金の調達を目指す同連合を弱体化させる可能性がある。「ネットゼロのためのグラスゴー金融同盟(GFANZ)」と呼ばれるこの有志連合に、大手銀行の参加を取りつけたことは、英グラスゴーで昨年開催された第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)における注目すべき成果だった。だがそれ以降、エネルギー不足に加え、政治家や規制当局からの圧力が高まったことで、米銀大手は脱炭素化ルールが厳しすぎると感じ、反発を強めている。GFANZに加盟したことを一部の銀行は後悔している、と事情に詳しい複数の関係者は明かした。組織としては存続する見込みだが、影響力は限定的になるかもしれない。
脱炭素化支える金融有志連合、米銀大手が反発
持続可能エネルギーへの転換支える国際的な金融機関連合に不協和音
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