会社や店舗の垣根を越えて、さまざまなサービスで使える「共通ポイント」を導入する企業が続々と増えたが、どうも不穏な動きもある。「改悪か?」とも思える変更が次々発表されているのだ。一方で、カルチュア・コンビニエンス・クラブが展開するTポイントは三井住友グループのVポイントとのポイント統合を発表した。円安・物価高で節約志向が高まる中、「ポイ活」は相変わらずの人気だが、これまで通りでOKとはいかない気配がうかがえる。現在の共通ポイント界の動きについて整理しておこう。(消費経済ジャーナリスト 松崎のり子)
先が案じられていたTポイントと、
知名度イマイチのVポイントの統合
およそ1カ月前の10月3日、筆者が驚いたのは、TポイントとVポイントが統合され、新たなポイントサービスが誕生するというニュースだ。
ただ、「Vポイント」と聞いてもピンとこなかった人も多いのではないか。三井住友銀行の利用者なら、取引に応じてポイントが付く「SMBCポイントパック」を知る人もいるだろう。貯まったポイントは振込手数料として使えたり、景品と交換などができたサービスなのだが、汎用性の面では今一つ弱かった。
それが2020年に三井住友カードの利用で貯まるポイントとともに「Vポイント」としてリニューアル。Vポイントアプリをダウンロードし、ポイントをチャージするとVISAプリペイドとして、ネットやリアルの加盟店での支払いに使えるようになる(Apple Payまたは Google Payを設定して決済する)。
筆者も2020年の時点でVポイントアプリを入れた一人だが、それ以降出番がないままだったため、「その手があったか」と意表を突かれた。
というのも、Tポイントについては2022年4月にYahoo!ショッピングなどでの付与が終了し、その行く末を案ずる臆測が飛び交っていたからだ。