サイゼリヤPhoto:Diamond

コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進が企業を揺さぶっている。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度のファミレス編だ。

サイゼリヤとジョイフル4割超増収の裏に大格差
実は「超・負け組」なのは?

 ファミレスの主要5社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。

◯すかいらーくグループ(すかいらーく)の既存店売上高
 7月度:前年同月比118.0%(18.0%増)
 8月度:同126.0%(26.0%増)
 9月度:同131.4%(31.4%増)

◯ロイヤルホスト(ロイヤルホールディングス〈HD〉)のロイヤルホスト既存店売上高
 7月度:前年同月比121.6%(21.6%増)
 8月度:同131.9%(31.9%増)
 9月度:同134.8%(34.8%増)

◯サイゼリヤの既存店売上高
 7月度:前年同月比124.0%(24.0%増)
 8月度:同138.4%(38.4%増)
 9月度:同147.6%(47.6%増)

◯デニーズ(セブン&アイホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
 7月度:前年同月比120.9%(20.9%増)
 8月度:同121.9%(21.9%増)
 9月度:同131.8%(31.8%増)

◯ジョイフルの既存店売上高
 7月度:前年同月比116.4%(16.4%増)
 8月度:同130.8%(30.8%増)
 9月度:同149.6%(49.6%増)

 22年9月度において、5社全てが3~5割の増収と大きく前年実績を超えている。

 しかし、これを見て「ファミレス業界は絶好調」と考えるのは早計だ。実は、各社の実績を時系列で分析すると、印象がガラリと変わる。

 そして、新型コロナウイルス禍の前と比べて、既存店売上高が2割超も減収したままの「超・負け組企業」があることも分かった。しかも、22年9月度の増収率でトップ2だったサイゼリヤとジョイフルのどちらかがそうなのだ。詳しく見ていこう。