何か考え方を変えないと、お金はたまらない

 では、社内預金などの在り方、特に持ち株の持ち方を変えてみては? と提案しました。今年、ウクライナ戦争の影響などで株価が暴落し、生活費用に売却するつもりだったがやめたと話されていたので、そのリスク(不確実性)の大きさを体感されただろうと思ったからです。つみたてNISAなどの積み立て投資について把握はしていましたが、「やはり会社からの上乗せ部分が魅力で、これも手放せない」と言います。

 結局、老後資金を作るための糸口を見つけに来たはずなのに、どれもこれも変えられないことばかりであることを、再認識するだけになってしまったのです。

 せっかく、ご自身の資産状況に不安を感じ、改善目的に来られたのに、一つも譲れない、変化できないというのはもったいないことです。一歩踏み出せば、また、違う満足感と達成感でうまくいったのではないかと思うのですが、柔軟に考えられず、もったいないことです。

 お金の形が硬貨や紙幣から、カード、デジタルへと年々変わってきたように、お金との付き合い方も変化します。昔からある制度や考え方にこだわるのが正解とは限りません。柔軟に対応できる力を持っていなければ、思いがけない結果になってしまうこともありますから、注意しましょう。