にわかに話題となった「風呂キャンセル界隈」。風呂を面倒くさいと感じる人は性別や年齢に限らずいるだろうが、中年男性(おじさん)の場合の風呂キャンセルは一体どのような結果をもたらすのか。また、風呂キャンセルについての自虐をおじさんがSNSで投稿する現象についても考えてみたい。(フリーライター 武藤弘樹)
「風呂キャンセル」がトレンド入り
老若男女が改めて悩む”風呂”
先月末、Xで「風呂キャンセル界隈」というフレーズがトレンド入りした。「風呂に入りたくない人たち」というだけの意なのだが、それに対する共感と、語感が醸し出す面白さからトレンド入りしたのであった。
このトレンドワードを追ったところ、多くの人が風呂には苦労させられているようで、風呂は性別と世代を超えた難敵であることが改めて実感させられる。
うつなどの精神疾患の兆候・症状として「風呂に入らない・入れない」場合があり、こうなると繊細に扱っていくべき問題だが、もっとその手前の段階――うつからある程度遠い地点にいる人が「風呂面倒くさい」と言っている分には罪がないので面白がってよく、むしろ共通の話題を盛り上げる燃料となり得る。
中年男性の苦労や哀愁をよく発信している当連載では、中年ならではの風呂への思いや事情があると目をつけ、「風呂キャンセル界隈・中年編」をテーマとする当記事の作成を決めた。
また、調べていくうちに、特にSNSで中年男性が風呂に関する投稿をするとき、いかにも「おじさんっぽい」トーン漂う傾向が確認できたので、己への備忘録としての意味も含めて、その特徴をここに知らせておきたい。
なお当記事においては以降、「風呂」の語に「シャワー」を含意することを了承願いたい。