「オードリー春日のトゥースでチャンクな英会話」というNHKの番組が面白い。英語学習で肝となる「チャンク」を前面に押し出していることは非常に画期的だ。春日さんの急激な英語力の上達には目を見張るものがある。そこから学べることとは?(パタプライングリッシュ教材開発者 松尾光治)
春日さんと「チャンク」がコンセプト
4月に始まったNHK(Eテレ)の「オードリー春日のトゥースでチャンクな英会話」という番組が素晴らしい。お笑いコンビ、オードリーの春日俊彰さんが過去1年間、ひそかに行なってきた英語レッスンをリメイクした番組だ。
このレッスンの目的は、3月に放映された特番「世界の春日プロジェクト」の準備のためだった。「英語がもうペラペラになっている状態で特番をやるので、今日から勉強してください」。1年前にこう宣告された春日さんは、放送日の決定した特番がかかっているので「もうやるしかない、やらざるを得ない」と腹をくくったという。
もともと英語は超苦手だったという春日さんが、「世界の春日プロジェクト」で、立派にハリウッド関係者に接触を試みるまでに成長したことは驚きだ。長い歴史を持つNHKの英語教育番組は、筆者の知る限り、これまでずっと「会話+フレーズ学習」という形式を守ってきた。それが今、番組タイトルにも入れるほど「チャンク」を前面に打ち出したのは、本当に画期的なことだと思う。
英語学習に興味のある人ならチャンクという言葉を知っているだろう。だが、チャンクが実際にどのように役立つのかを具体的に理解している人は少ない。断言しよう。チャンクを意識することこそ、英語が話せるようになるための重要な鍵になる。
チャンクを使った文の組み立て方と、チャンクを意識することのメリットを、例文で見ていこう。