短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。発売前から「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのが注目の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。

頭よさげなのに実は考えが浅い人が知らない【優先順位のダブルマトリックス】の法則

「重要度&緊急度」は低くても
“すぐ終わる”ものを優先

 前回、仕事が速い人と遅い人の「優先順位のつけ方」の決定的な差を紹介した。

 今回は応用編。

 ここからが2段階目のマトリックスになる(▼図表5)。

 では、重要度も緊急度も高いタスクばかりのときはどうするか。

 この場合、まず、完了までにかかる時間を考える。

 そして、すぐ終わるものを最優先にする。

 多くの人が重要度・緊急度が高く、時間のかかるものから手をつけるが、これは大きな間違いだ。

 重要度・緊急度のどちらかが低くても、すぐ終わるものを先にやるほうが成果は上がる。

 理由は4つある。

1 先にやることですぐに結果が得られ、こなせる案件数が圧倒的に増える
2 「発生→タスク管理→実行」が「発生→実行」となるので、タスク管理の手間が省け、キャパが増える
3 タスクが完了することで次のタスクが生まれ、大きな目で見ると仕事全体が進む
4 記憶が鮮明なうちに仕事が終わるので、短時間で漏れなく精度の高い仕事ができる。後でやろうとすると記憶が薄れ、アイドルタイムが発生し、精度も下がる

 ここでも「アイドルタイム」をいかになくすかを重視する。

 あなたの工程が終わらない限り、次の工程が始まらない場合、あなた単体でその案件が重要度も緊急度も高くないとしても、全体で見たら高い場合もある。

 そんなときはさっさとあなたの工程をすませ、次工程にバトンを渡すことが重要だ。

 そういった意味でも、すぐ終わるものはさっさと片づけ、次工程に渡すべきだ。

 (本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)