短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのが木下氏の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本書から一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。

【効果絶大】仕事が遅い人でも、突然、成果が上がり始める“優先順位”のつけ方

なぜ「緊急度」より
「重要度」を優先するのか?

 前回、仕事が速い人と遅い人で「打合せ」の認識にかなりの違いがあることを紹介した。

 さらにもっと大きな差がつく場合がある。

 Aさんが「わずか10分ですむ仕事」を、Bさんは1ヵ月かかる。

 Cさんが「わずか1時間ですむタスク」を、Dさんは3ヵ月かかる。

 これだけ大きな差が出るのは、なぜだろう。

「すぐやるかどうか」だけでなく、「優先順位のつけ方」に根本原因がある。

「優先順位のつけ方」は個人の「思考アルゴリズム(考え方のクセ)」によって変わるが、ここでは成果を出している人の「思考アルゴリズム」を知っておこう。

 仕事の成果は、優先順位のつけ方で大きく変わってくる。

 まずは一般的な基本の考え方から。

 目の前に4つのタスクがあったとしよう。

 時間と労力に限りがあるので、上位2つまでしかできない。

優先順位のつけ方の基本

 この場合、優先順位のつけ方として、「重要度」と「緊急度」で分ける。

 これをマトリックスにしたものが図表4だ。

【効果絶大】仕事が遅い人でも、突然、成果が上がり始める“優先順位”のつけ方

「重要なもの」とは「結果に対して影響度の大きなもの」である。

「緊急なもの」とは「今すぐ対処することを求められているもの」である。

 緊急なものの中には「重要でないもの」が含まれているので、この対処の仕方で成果が大きく変わってくる。

 まず、「重要度も緊急度も高いタスク」をやる。

 次に、「重要度も緊急度も低いタスク」は最後にやる、もしくは「やらない」と決める。

 迷うのは、「重要度が高く、緊急度が低いタスク」と「重要度が低く、緊急度が高いタスク」はどちらを優先したらよいかだ。

 こんなときは、悩むだけアイドルタイムが発生するから、緊急度より重要度を優先すると成果が上がる、と覚えておこう。

 重要度が高い仕事を優先して片づけていると、緊急になる前に解決していくので、いつしか緊急の仕事が発生しなくなり、時間と労力を重要度の高いタスクに集中できるからだ。

 重要度が高い仕事をどんどん片づけていかないと、その仕事はいつしか緊急度を伴ってあなたにのしかかってくる。そうなった場合は、否応なく今すぐ対応せざるをえなくなる。

 これが続くと「重要度は低いが、緊急度が高いタスク」に常に忙殺され、「忙しいが成果は低い」人になってしまうのだ。

 (本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)