老人ホーム・サ高住・シニア分譲マンション 50代も必見!シニアの住まい選び#3写真提供:ハイネスコーポレーション

自立した自由気ままなセカンドライフを望むアクティブシニアの間で今、じわりと人気が高まっているのが、入居可能年齢に50歳や60歳などの条件を設けた「シニア向け分譲マンション」だ。老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅とは異なり、所有権型のため、売却や賃貸、相続、さらにリフォームなどを自由に行える。それだけに物件選びで重視すべきは資産性だ。特集『老人ホーム・サ高住・シニア分譲マンション 50代も必見!シニアの住まい選び』(全5回)の#3では、本邦初となる中古シニア向け分譲マンションに特化した「価格騰落率」ベストランキングを公開する。(ダイヤモンド編集部 宮原啓彰)

都市部や駅前再開発で次々に誕生
シニア向けの新たな住まいとは?

 昨秋、東京都練馬区のあるマンションで入居が始まった。関東のシニア向け分譲マンション(以下、シニア分譲)で圧倒的なシェアを誇るフージャースコーポレーションが、東京23区で初めて新築した所有権型シニア分譲、「デュオセーヌ江古田の森公園」だ。

「想定を超えて好評を得ている。今後、世田谷区や杉並区など23区における供給拡大を目指していく」と、同社の佐藤多聞取締役は意気込む。

「デュオセーヌ江古田の森公園」の外観「デュオセーヌ江古田の森公園」の外観 写真提供:フージャースコーポレーション

 今年3月には、関西を地盤にシニア分譲を展開するハイネスコーポレーションが首都圏に初進出。シニア分譲「エクセレントマスターズ八王子中楽坊」(東京都八王子市。トップ画像参照)の販売を開始した。

 同社コミュニケーション企画室の川口雅裕氏は「以前からの、東京で高齢期の新しい生き方を発信したいという思いを実現した。東京には資金的に余裕のある高齢者が多く、分譲型へのニーズがよりあると思っている」と言う。

 新たなシニア分譲が続々とお目見えしているのは、首都圏に限らない。今月、北陸新幹線の延伸を2024年に控えたJR福井駅前で、大規模再開発事業に参画する大和ハウスグループのコスモスイニシアが手掛ける「ザ・福井タワー イニシアグラン」が分譲を開始した。「このほか福岡県のJR久留米駅前や大分県のJR大分駅前など、地方都市の駅前再開発に伴うシニア分譲開発を進めている」と、同社の山本一馬ウェルデザイン事業部事業企画部部長は言う。

 シニア分譲の新規供給が近年増加している背景について、東京カンテイの高橋雅之主任研究員は、「現時点ではまだニッチな市場にとどまるものの、都市圏における高齢者住宅の新たな選択肢として、アクティブシニアを中心に高い関心を持たれ始めている」と分析する。

 実際、東京カンテイのまとめによれば、シニア分譲の供給戸数(竣工年ベース)は特に20年以降、首都圏を中心に爆発的に増えている。

 権利様式が有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅と違って所有権であるため、相続などに使える資産性もブームを後押しする。「去年あたりから、中高年の子どもがまず見学に来て、自分も住み続けることができるのかを確認した上で、親を説得して連れてくるパターンがかなり増えている」と川口氏は言う。

 次ページから、シニア分譲の詳しい特徴と共に、資産性を見る上で重要な中古物件の価格騰落率ランキングを初掲載しよう。