性欲が強いのは男女どちら?ドイツの研究機関がマジメに研究した結果とは写真はイメージです Photo:PIXTA

 驚く人はいないかもしれないが、男性の方が女性よりも性欲が強いことが、ザールラント大学(ドイツ)心理学部のJulius Frankenbach氏らの研究で示された。200件以上の研究データの解析から、男性の自己申告に基づく性欲は一貫して女性より強いことが明らかになったという。研究結果は、「Psychological Bulletin」に10月13日掲載された。

 Frankenbach氏らは今回、1996年以降に発表された211件の研究データを収集し、性欲の性差についてメタアナリシスを実施した。これらの研究には、14歳以上の男女62万1,463人が含まれていた。

 その結果、男性は女性よりも性欲が強いことが示され、その効果量の大きさ(差の程度)は中~大であることが明らかになった。また、男性では女性と比べて、セックスについて考えたり空想したりする時間や、性欲を覚える時間、自慰行為に費やす時間が長いことが示された。

 Frankenbach氏は、「われわれにとって予想外だったのは、国や年齢層、民族、性的指向の違いにかかわらず同様の結果が示されたことだ。性欲は女性よりも男性の方が強いというのは、普遍的な心理パターンと思われる」と話す。なお、同氏によると、男女間の性欲の差の程度は男女間の体重の差とほぼ同程度で、男女間の標準的な体格差と同じくらいである可能性が高いと説明している。

 ただ、この研究には弱点もある。人々が自分自身の性的な傾向について、必ずしも正直に話すとは限らないという点だ。Frankenbach氏は、「性に関することはセンシティブな話題だ。そのため、われわれは人々の回答が完全に正確ではない可能性も考慮した。実際、われわれのデータには、そうした正確性に欠けた回答も含まれていることを示すエビデンスがあった」と言う。