女性の24~29%に「例外」も
その上でFrankenbach氏は、「例えば、自己申告に基づく性的パートナーの数は、女性よりも男性の方が多かったが、当然ながら、それはあり得ない。しかし、こうした回答バイアスは比較的小さく、それだけでジェンダー間に認められた性欲の強さの違いを全て説明することはできないとの結論に至った。つまり、われわれは実際に性欲の強さに男女差はあると考えているということだ」と説明している。
この研究には関与していない、米ハーバード大学人間進化生物学部講師のCarole Hooven氏は、この研究の優れた点として、「性欲の強さに性差があるのかどうかを調べた多くの研究の結果を集めて調べ、まとめ、人々の回答のバイアスによる影響を調整しようとしたところ」を挙げている。
ただ、Frankenbach氏らは例外があることも指摘している。例えば、女性の24~29%は「平均的な」男性と比べて性欲が強い可能性が示されたことに言及し、平均的な男性は女性と比べて性欲が強いとみられるが、「多くの男性と比べてセックスに夢中な女性も数多くいる」と付け加えている。
では、性欲をもたらす要因は何なのだろうか?Frankenbach氏は、「社会規範や社会的役割、社会的学習に加え、遺伝学的、生理学的、生物学的な因子などの複雑な相互作用によって性欲がもたらされるのではないか」との見解を示している。
一方、Hooven氏は文化の影響力の大きさを指摘し、「セクシュアリティの表現の仕方だけでなく、男女それぞれの適切な行動に関する考え方にも文化が影響を及ぼす」と説明。さらに、「これまでに極めて多くの研究がさまざまな地域で実施されたが、それらから得られた知見はいずれも、女性よりも男性の方が性欲は強いということに集約される。男性で多く分泌される男性ホルモンのテストステロンが、生涯にわたる男性の性欲に重要な影響を与えているものと思われる」と付け加えている。
その一方でHooven氏は、「明らかにセックスを楽しんでいる女性もいること、また、こうした科学的な情報が、どのような行動が正しくて、どのような行動が間違っているのかの線引きには全く影響しないものであることを認識しておく必要がある」と強調している。(HealthDay News 2022年10月26日)
https://consumer.healthday.com/sex-drive-2658474704.html
Copyright © 2022 HealthDay. All rights reserved.