開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、「理科の成績を伸ばすコツ」について特別に一部を抜粋して紹介する。
理科の成績アップに、暗記は避けて通れない
社会の成績を上げるためには暗記が必要不可欠です。一方で、理科には計算問題があるため、なんとなく暗記は必要のない教科であるかのように思われがちです。
確かに、理科は社会と比べて、はるかに覚えることが少ない教科です。でも、どんなに少なくても覚えなくてはならないことはあるのです。計算は得意なのに理科は苦手という子どもは、暗記をサボっているわけです。
逆に言うと、覚えることをしっかりやればある程度の点は取れます。理科はそもそも覚える範囲は狭いのですから、より多くの問題を解くことでそれは身につきます。また、社会に比べて「絵」の暗記が必要なので、タブレットや図鑑を使って視覚的に学習しましょう。
理科が苦手な女の子が多いワケ
一般論で言うと、男の子と比べて女の子に理科が苦手な子が多いのは事実です。ただ、どちらかというと私は、「女の子には理科が嫌いな子が多い」と認識しています。苦手というよりも嫌いなのです。
その理由としては、もともと関心がなかったり、虫の写真を見るのが怖かったりといろいろあるでしょう。いずれにしても、苦手を得意にさせるより、嫌いを好きにさせるほうがはるかに難しいのです。それはテクニックではなく感情の問題だからです。
ところが、わが子が理科が苦手なときに、その感情の部分に気づかず、もっと勉強しろと迫れば、さらに嫌いになってしまう可能性大です。だから、苦手な中にも、なんとかできることからやっていくようにしましょう。
理科には、暗記力を要するものと計算力を要するものがあることは前述しました。わが子が、そのどちらのほうが感情的に受け入れられるのかを理解し、それを伸ばしてあげることに注力しましょう。
それによって少しでも成績が上がってくれば、理科という教科自体に対する思いも変わってくるでしょう。どうしても「理系女子は珍しい」という固定観念にとらわれてしまう人が多いので、そのことで子どもの可能性にフタをしないように注意してください。
(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)