開成、麻布、桜蔭、雙葉、筑駒、渋幕……東京・吉祥寺を中心に都内に展開する進学塾VAMOSは、「入塾テストなし・先着順」で生徒を選抜しないが、「普通の子ども」を有名難関校に続々と合格させると話題の塾だ。子どもの特徴を最大限に生かして学力を伸ばす「ロジカルで科学的な学習法」が、圧倒的な支持を集めている。本稿では、VAMOSの代表である富永雄輔氏の最新刊『ひとりっ子の学力の伸ばし方』(ダイヤモンド社)から、特別に一部を抜粋して紹介する。

理科が得意な子どもほど「他教科の成績も良い」納得の理由Photo: Adobe Stock

理科が得意な子どもは総合的な学力が高い

 実は、理科には、国語・算数・社会の要素がすべて入っています。とくに中学受験では、国語力がないと解けない長文問題が出題されます。公式を当てはめて計算する算数の力も必要です。花や虫や雲の名前を問うような、社会の問題に近いものも出されます。

 つまり、理科ができる子は、オールラウンドに理解できているということです。だから、我が子が理科が得意なら、ほかの教科も伸びる可能性があると思って喜んでください。もし理科が不得意だとしても、そういう子がほとんどなので恐れることはありません。その中での伸ばし方を知っていればいいのです。

 たとえば、物理・化学・地学・生物という理科の4分野の中で、好きなものから伸ばすのもいいでしょう。これら4分野にはあまりつながりがないので、単純に「理科が苦手」と考えるのではなく、理科のなにが苦手でなにが得意なのかをしっかり見極めましょう。

理科は「暗記問題」と「計算問題」の2パターン

 まず、理科の「なにができないのか」「どうしてできないのか」を冷静に分析しましょう。

 理科には、暗記すれば解けるものと、計算しないと解けないものがあります。たとえば、花や虫や雲の名前は、覚えるしかありません。一方で、算数の「比」の概念を用いないと解けない問題もあります。

 それをただ「理科が苦手」とごちゃ混ぜにして考えているから混乱して、手も足も出ない感覚を抱いてしまうのです。中学受験にはその両方が必ず出るので、それに対しどういう対策を練るかが大事です。

 もちろん、苦手を克服できたらいいですが、計算しないと解けない理科がどうしてもダメだというなら、覚えて解く理科に特化して強くなるのも1つの方法です。苦手な子どもほど計算にこだわりますが、計算は理科の一分野にすぎないという視点も必要です。

(本稿は、『ひとりっ子の学力の伸ばし方』からの抜粋・編集したものです)