岸田首相が「電気代などの支援策」を打ち出すほどの電気代高騰、あるいは物価上昇が家計をひっ迫させている。とはいえ、年末のイベントであるクリスマスだけは世知辛さなど忘れて楽しみたいという思いのある人は多いはずだ。節約とささやかな年末イベントとの間で揺れる庶民の思いは――。(フリーライター 武藤弘樹)
すでに人気店は予約でいっぱい
今年のクリスマスは節制しない?
激しい物価上昇が続き家計が圧迫されながら、世間はクリスマスへと向かっている。10月31日のハロウィーンが終わるやいなや、あるいは気の早いところではハロウィーンが終わる数日前から、ハロウィーン関連グッズをしまい込んで、クリスマス関連のディスプレーが始まった。街中でもネオンの点灯が盛んである。
クリスマスは例年なら、大きな支出とそれに見合った楽しみを提供してくれるお祭り的イベントであるが、物価高に苦しめられる今年はどうか。生活していくために節制を強いられる国民たちは、かようなお祭りにこそビシッと財布のひもを締めて誘惑を遠ざけ、清貧を貫くのではあるまいか。
だが、どうやらそんなこともないらしい。ある人が12月24日に都内でレストランの予約をしようとしたところ、人気店では、1万~5万円の“いいお値段”のコースの予約がすでにいっぱいになっていたそうである。
今年のクリスマス・イブとクリスマスが土、日になっていることも関係していようが、物価高にあるとはいえ、クリスマスは節制の対象にあまりなりえないのかもしれない。人々がクリスマスに実際どう動く予定なのか、現在の物価高とあわせてクリスマスをどのように考えているのかを調査した。