米連邦検察は目下、国内に隠されているロシア新興財閥(オリガルヒ)の資産を特定するため、召喚状を相次ぎ発行している。不動産や預金口座、信託基金などを取り押さえるための下準備だ。内情に詳しい関係筋が明らかにした。召喚状の大半は、不透明な資産の保有構造に切り込むため、企業や銀行、信託に関する記録の提出を求めている。こうした動きは、ニューヨークやヒューストンなど複数の連邦裁判所で繰り広げられており、ロシアのウクライナ侵攻に伴う西側諸国の包括的な取り組みの一つだ。その目的は、ロシアに侵攻をやめさせ、ウクライナへの追加援助と将来の復興原資を確保することにある。2月以降、西側が凍結したロシア資産は3300億ドル(46兆4200億円)を超える。このうち約3000億ドルはロシア銀行(中央銀行)が外国の銀行口座に持つ外貨準備だ。残る大半はオリガルヒの企業や銀行口座、信託、ヨット、プライベートジェット機、不動産、宝飾品が占める。