ドル高、実質実効レート指数は
「プラザ合意」直前の水準
2022年になってドル高が進んできた。
国際決済銀行(BIS)が作成している実質実効レート指数(国家間の物価上昇率の違いや貿易額のウエートを勘案した為替レート、2010平均=100)を見ると、ドルは直近の10月は142.19と「プラザ合意」直前の1985年3月(147.09)に迫るドル高水準となった。
米国は消費の堅調を背景に需給が引き締まり、インフレ・金利上昇が進む「高圧経済」化で経常赤字が拡大したものの、内外金利差の拡大でオイルマネーなどによる海外からの債券経由の資本流入の増加が経常赤字拡大を上回ったからだ。
だが、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを加速するなか、家計消費の減速が懸念され、米金利にピーク感も出始めている。
11月以降のドル反落が、トレンド変化の始まりなのか。
鍵をにぎるのは米国の雇用や消費の行方だ。消費の減速次第で2023年の前半にかけて国際資本フローの流れが変わり、「ドル高」の持続性に陰りが出る可能性がある。