リモートワークの長期化は避けられない。ビジネスパーソンも「リモート強者」と「リモート弱者」に二極化しつつある今、あなたは「リモート強者」か? それとも「リモート弱者」か?
そんな時、心強い味方が現れた。ITビギナーから絶大な信頼を得ている平塚知真子氏だ。
平塚氏は、Google が授与する資格(Google 認定トレーナー/Google Cloud Partner Specialization Education)を2つ保有する国内唯一の女性トレーナー経営者。
その初の単著が『Google式10Xリモート仕事術──あなたはまだホントのGoogleを知らない』だ。
「10%改善するより10倍にするほうがカンタン」という Google 急成長の秘密「10X(テンエックス)」で成果を10倍にする「10X(テンエックス)・10(テン)アプリ」をフルカラーで初公開。
“日本一のマーケッター”の神田昌典氏(マーケティングの世界的権威ECHO賞・国際審査員)が「全部無料! こんな使い方、あったのか」と大絶賛。
曽山哲人氏(サイバーエージェント常務執行役員CHO)が「想像以上に知らない機能があった」。
三浦崇典氏(天狼院書店店主)が「Google 全70アプリのうち10アプリを使いこなして仕事を劇的に変える解説書。リアルよりも成果を上げる術を伝える“リモート強者”への指南書」というノウハウとはどんなものか。
“リモート弱者”が“リモート強者”になる、誰も教えてくれなかった方法を紹介しよう。

10X(テンエックス)Photo: Adobe Stock

 皆さん、プロジェクトの進捗管理はどうされていますか? 模造紙やホワイトボードに書き出すという古式ゆかしい方法を取られている方もおられるかもしれませんが、プロジェクト管理で大事なのは、変更があったときにすぐに反映できること、そして、いつでもどこでもメンバーがすぐに確認できること。

 となると、おのずとクラウドベースでのアプリを使って管理するのがベターということになりますが、残念ながら Google アプリにはプロジェクト管理ツールのアプリがいままで存在しませんでした。

 ところが、ついに Google スプレッドシートに待望のガントチャート作成機能が追加されたのです。これは、グローバルカンファレンス「Google Cloud Next ’22」で発表された新機能で、タイムライン ビュー と名付けられています。

 タスクの開始日、終了日、担当者、タスクの説明などをセルに表形式で記載すると、グラフを作成するのと同じくらいの感覚で、ガントチャートを自動で作成してくれるのです。もちろん、元のデータが変更されたら自動で反映。共有も可能です。

 それではさっそく、使い方を見ていきましょう。

 まず、新規のスプレッドシートを作成します。まず、メニューバーの[挿入]をクリックし、プルダウンメニューに[タイムライン]が表示されることを確認してください。

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法プルダウンメニューに表示された「タイムライン」

 Google アプリの新機能は、リリースされてから段階的に反映されていくため、新機能が表示されない場合は数日経ってから再度チェックしてみてください。

 また、残念ながらこの機能は Google Workspaceを契約しているユーザーが対象(ただし Business Starter は対象外)で、個人の Google アカウントを使用している方は対象外となります。ただ、他のユーザーが作成したタイムラインビューを閲覧することや、タイムラインの元データとなるシートを編集することは可能です。また、教育機関で導入されている場合は、無料プランでもこの機能を使用することができますのでご安心ください。

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法見出し行を入力しておく

 まず、セルの1行めにタスク名、開始日、終了日、タスクの説明、担当者と記入していきましょう。これが見出し行となります。

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法タスクの詳細を入力していく

 つづいて、プロジェクトの各タスクの名前、開始日、終了日を入力していきます。この3項目はマストになりますが、よりわかりやすいスケジュール表を作るために、説明と担当者も記入しておくとよりベターでしょう。

 ちなみに、スプレッドシートではセルにいったん日付を入力すると、変更するときにいちいち数字やスラッシュを打ち直す面倒がありません。日付のセルをダブルクリックするだけでカレンダーが表示されるので、直感的に日付を選ぶことができます。

 タスクの一覧表が完成したら、いよいよタイムラインビューを作成していきましょう。先ほどと同じく、メニューバーの[挿入>タイムライン]を選択すると、[タイムラインの作成]というポップアップが表示されます。

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法「タイムラインの作成」でデータの範囲を選択する

 ドラッグして、タスク一覧表の範囲を選択しましょう。選択が完了したら、[OK]をクリックするだけです。

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法ガントチャートが表示された

 一瞬でタイムラインビューのガントチャートが表示されました! とてもカンタンですね。

 初期設定では、タスク名と開始日、終了日だけがチャートに反映されました。色も付いておらず少しさびしいので、設定からカスタマイズしていきましょう。

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法カードの色もカンタンに変更可能

 色を変えるのはとてもカンタンです。タスクのカードをクリックすると、右側に詳細が表示され、カードの色を自由に変えることができます。

 また、元の表でタスク名の記入されたセルに背景色を設定すると、自動でその色がカードに反映されるという賢い機能もあります。

 この他にも、タイムラインの表示されたシートの右上の[設定]をクリックすると、さまざまなカスタマイズを行なうことができます。

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法タイムラインの[設定]ボタンは右上に表示されている

 設定の「カードの詳細」は、タスクの横に表示される説明文です。元のシートでは「説明」にタスクの説明を記入したので、プルダウンメニューから「説明」を選択すると、タスク名の横に「各自企画をプレゼンします」などの説明が表示されました。

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法タスクの詳細も表示された

 いちばん下にある「カードグループ」は、カードを分類して表示してくれる機能です。「担当者」でグループ分けすると、担当者ごとにタスクが分類されました!

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法タスクが担当者別に分類された

 このように、タイムラインビューを使用すると、さまざまなプロジェクトのスケジュールをカンタンに「見える化」することができます。

【9割の人が知らない Google の使い方】予定管理が「上手な人」だけが気づいたスプレッドシートの活用法タイムラインをさまざまなタイムスパンで表示することも可能

 タイムラインの時間軸は、日だけでなく、月ごと、さらに複数年のタイムスパンに変更することも可能です。企業の中長期の戦略をブレイクダウンして管理することもできそうです。

 このタイムラインビュー、冒頭もお伝えしたように、有料の Google Workspace でないと使用できないのが悩ましいところではありますが、これまでプロジェクトの進捗管理のためだけに、他のワークマネジメントツールを有料で契約している方もおられるかもしれません。

 ここで Google Workspace を導入すれば、すべての Google アプリの「有料版にしかない機能」を使うことができます。用途ごとに別々なアプリを使い分けている「分散問題」も解決して、チームの生産性を向上していきたいものです。

(本稿は『Google式10Xリモート仕事術――あなたはまだホントのGoogleを知らない』著者からの特別投稿です)