リモートワークの長期化は避けられない。ビジネスパーソンも「リモート強者」と「リモート弱者」に二極化しつつある今、あなたは「リモート強者」か? それとも「リモート弱者」か?
そんな時、心強い味方が現れた。
ITビギナーから絶大な信頼を得ている平塚知真子氏だ。
平塚氏は、Google が授与する資格(Google 認定トレーナー/Google Cloud Partner Specialization Education)を2つ保有する国内唯一の女性トレーナー経営者。
その初の単著が『Google式10Xリモート仕事術──あなたはまだホントのGoogleを知らない』だ。
「10%改善するより10倍にするほうがカンタン」という Google 急成長の秘密「10X(テンエックス)」で成果を10倍にする「10X(テンエックス)・10(テン)アプリ」をフルカラーで初公開。
“日本一のマーケッター”の神田昌典氏(マーケティングの世界的権威ECHO賞・国際審査員)が「全部無料! こんな使い方、あったのか」と大絶賛。
曽山哲人氏(サイバーエージェント常務執行役員CHO)が「想像以上に知らない機能があった」。
三浦崇典氏(天狼院書店店主)が「Google 全70アプリのうち10アプリを使いこなして仕事を劇的に変える解説書。リアルよりも成果を上げる術を伝える“リモート強者”への指南書」というノウハウとはどんなものか。
“リモート弱者”が“リモート強者”になる、誰も教えてくれなかった方法を紹介しよう。

10X(テンエックス)Photo: Adobe Stock

 皆さん、パソコンはだいたい何年くらいで買い替えていますか? 内閣府の調査によれば、平均使用年数は6.8年だそうです。買ってから7年が経つと、動作が遅くなったり、OSのサポートが終了したり、使用に支障をきたすケースが増えてくるため、皆さん買い替えを決断されるようです。また、会計上の減価償却でもPCの耐用年数は4年となっています。

 こうしてお役御免になったPCですが、もう一度最新のOSを搭載したPCとして復活させることができたら素晴らしいと思いませんか? じつは、そんな夢のようなことが可能なんです。

Google が無料で提供している ChromeOS Flex

 それが、2022年7月15日に Google が提供を開始した「ChromeOS Flex」です。これは、古いWindowsやMacにインストールすることで、「ほぼ」Chromebook として使うことのできる無料のOSなのです。

【9割の人が知らないGoogleの使い方】古いPCをタダで最新OS搭載PCとして復活させる方法iMacに ChromeOS Flex をインストールしたところ

 ChromeOS は、Google が設計したOSで、このOSを搭載したPCは Chromebook と呼ばれます。最近は家電量販店などでもコーナーを設けて展示されることが多くなりました。

 特長としては…

1. 電源オンから10秒以内に起動する軽量な設計
2. アプリは基本的にChrome ブラウザ上で立ち上げるため、インストール不要
3. データは基本的にクラウドに保存されるため、バックアップ不要
4. 「多層防御」の原則に基づく高いセキュリティ

 このようなものが挙げられます。

 2019年から始まった全国小中学校での1人1台端末整備の「GIGAスクール構想」でも、ChromeOS のシェアは4割を超え、WindowsやiPadを抜いて最も多く導入されたことは記憶に新しいですね。

 この ChromeOS をさまざまなPCに自由にインストールできるようにパッケージ化したものが ChromeOS Flex です。

【9割の人が知らないGoogleの使い方】古いPCをタダで最新OS搭載PCとして復活させる方法ChromeOS Flex の公式サイト

 Google では、この ChromeOS Flex が正常に動作するかを、さまざまなPCで定期的にテストしています。一覧が認定モデルリストにまとめられています。

 このリストを見ると、たとえばMicrosoftのSurfaceでは2014年に発売されたSurface Pro 3が、Macでは2010年に発売されたMacBookがリストに掲載されています。どれも一昔前のPCですが、ChromeOS Flex をインストールすることで、最新OS搭載のPCとしてもうひと頑張りしてもらうことができるのです。

 基本的には、IntelまたはAMDの64bit CPUを搭載しており、メモリは4GB、ストレージが16 GBあれば要件的に問題ありません。公式ヘルプにも、「ChromeOS Flex は、過去10年以上にわたって製造されたほとんどのWindows、Mac、Linuxデバイスでご利用いただけます」と自信を持って明記されています。

外部のUSBメモリから直接起動させることも可能

【9割の人が知らないGoogleの使い方】古いPCをタダで最新OS搭載PCとして復活させる方法Chrome ブラウザの拡張機能「Chromebook リカバリ ユーティリティ」
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 インストールを行なうには、まず、今お使いの Chrome ブラウザに拡張機能「Chromebook リカバリ ユーティリティ」を追加し、その後リカバリメディアを作成します。「リカバリーメディア」とは、文字通りリカバリー(復元・初期化)を行うためのデータを収録しておくメディアのことです。[始める]をクリックしたら、指示に従ってUSBメモリ、またはSDカードに、Chromebook リカバリ ユーティリティをダウンロードして作成しましょう。

【9割の人が知らないGoogleの使い方】古いPCをタダで最新OS搭載PCとして復活させる方法リカバリ メディアの作成画面
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 このインストーラーを、復活させたいPCに挿し込むことで ChromeOS Flex をインストールすることができます。

 なお、ChromeOS Flex は軽量のため、PCにインストールしなくても、USBメモリやSDカードから直接起動することも可能です。正常に動作するかを確認する意味でも、まずは外部メディアからの起動を試してみるとよいでしょう。

使える機能と使えない機能に注意!

 冒頭で「ほぼ」Chromebook として使える、と書きましたが、最初から100% Chromebook として設計されたPCではないので、ChromeOS Flex にはいくつかの機能制限があることには注意が必要です。

 たとえば、指紋リーダー、赤外線(IR)カメラ、顔認識カメラ、Bluetooth、タッチディスプレイ、最近は使う機会が減りましたがCD/DVDドライブなどは動作しない可能性があるので注意が必要です。

 通常の Chromebook では使用できる Google Play ストア とAndroidアプリも残念ながらサポートしていません。

 また、キーボードの配置もWindows、Mac、Chromebook で少しずつ異なるので、一部のショートカットやファンクションキーが機能しない場合があります。

 ただし、認定モデルリストに掲載されたPCでは、音声の入出力、Wi-Fiなどのネットワーク、タッチパッド、キーボード、USBコネクタなどの基本的なデバイスは動作することが保証されています。

PCを長く使い続けることはエコにもつながる

 こうして ChromeOS Flex をインストールして復活したPCですが、Gmail を送受信したり、Chrome ブラウザでウェブサイトを閲覧したり、YouTubeで動画を視聴したり、といった日常的な作業に関してはまったく支障はありません。

 ChromeOS はほぼ毎週最新のバージョンにアップデートされますが、PCを使用している間に新しいバージョンをダウンロードしておき、再起動時に新しいバージョンを適用する仕組みのため、他のOSでありがちなシャットダウン前にいきなりシステムの更新が始まり、机の前に数十分拘束されるようなストレスも皆無です。

 そして何よりPCを長く使い続けることは、環境負荷を減らすことにもつながります。夏休みのこの機会に、押入れの中に眠っているPCに ChromeOS Flex をインストールし、再活用してみてはいかがでしょうか。

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