株式投資で資産2億5000万円を築いている現役サラリーマン投資家の愛鷹氏。2008年から株式投資をはじめ、これまで通算66もの銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。“テンバガー・ハンター”の異名をとる。2021年は9年連続テンバガー達成。会社員として働きながらテンバガーを連発する【愛鷹式】超分散投資術を徹底解説した初の単著『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)から、一部を抜粋・編集し、一度買ったら決算を都度確認するだけでほとんど売らない、
ニッチを狙え!
【前回】からの続き 人材サービス関連では、パソナグループ(2168)やパーソルホールディングス(2181)のような大手の企業がよく知られています。しかし、それらの総合的な人材サービスよりも、ニッチな業界に特化した人材サービスを手がける企業のほうが伸びる余地が大きいと私は思っています。
人材サービス業界は参入障壁が高くはないため、競争が激しく、ライバルがひしめいているため、より強く特色を出している企業を選ぶべきです。ある限られた業界への人材サービスで高いシェアを獲得できれば、その業界内での競争相手が少ないため、価格交渉力も高まります。
それが売上高と利益を押し上げる要因となり、好業績が投資家の注目を集め、結果的に株価に反映すると考えられるからです。WDBホールディングスをはじめ、先ほどリストアップした私の10倍株銘柄は、いずれも総花的な人材サービスではなく、理系人材や半導体向けの派遣・請負といった得意分野を持っている企業ばかりなのです。
介護・医療人材サービス銘柄に注目
これから伸びると期待される専門性の高い人材サービスの1つには、介護・医療業界向けがあります。高齢化が進み続ける限り、介護・医療人材サービスへの需要は右肩上がりが続くと考えられます。しかも、慢性的な人材不足でもあります。
たとえば、私の10倍株の1つでもある介護・医療業界向け人材紹介サービスの最大手エス・エム・エス(2175)は、海外への事業展開にも積極的で、今後も持続的な成長が期待できます。
障がい者雇用の人材サービス銘柄にも注目
もう1つ注目する分野を挙げるなら、障がい者雇用を支援する事業を手がける人材サービス銘柄です。2021年に施行された「障害者雇用促進法」の改定では、民間企業の障がい者の法定雇用率が2.2%から2.3%に引き上げられました(国・地方公共団体などでは、従来の2.5%から2.6%に引き上げられています)。
法定雇用率の変更にともない、従業員43.5人以上の事業者は、最低1人の障がい者を雇用する義務が生じます。仮に1000人の常用雇用者が働いている大手企業ならば、1000×0.023=23人の障がい者を雇用しなければならないのです。
自社で採用するのが難しい企業は、人材派遣サービスを利用するしかありません。こうしたビジネスを展開している企業には、障がい者支援と福祉施設向けのプラットフォーム事業を手がけるLITALICO(7366)、コールセンターへの人材派遣のほかに障がい者支援のための農園経営を手がけるエスプール(2471)などがあります。
※本稿は『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。