株式投資で資産2億5000万円を築いている現役サラリーマン投資家の愛鷹氏。2008年から株式投資をはじめ、これまで通算66もの銘柄で10倍株(テンバガー)を達成。“テンバガー・ハンター”の異名をとる。2021年は9年連続テンバガー達成。会社員として働きながらテンバガーを連発する【愛鷹式】超分散投資術を徹底解説した初の単著『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)から、一部を抜粋・編集し、一度買ったら決算を都度確認するだけでほとんど売らない、というサラリーマンでも再現性の高い超シンプルな投資法を紹介する。

【10倍株(テンバガー)連発!】テンバガーハンターが目をつけた“投資対象の注目情報”イラスト:タラジロウ

「人材サービス関連」で着目した銘柄

【前回】からの続き そのなかで着目した銘柄が、WDBホールディングス(2475)でした。『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』の157ページで詳しく紹介しますが、理学系研究職、研究補助職の人材派遣の分野では、トップシェアの会社です。

2012年に1株265円で購入し、5年後の2017年に10倍株を達成しています。なお、265円は株式分割を考慮した株価であって、実際の購入株価ではありません(以下、本文中に出てくる購入時の株価についても同様)。

現場を知る会社員のミクロの視点だけでなく、市場全体を俯瞰するようなマクロの視点からも眺めてみました。すると、ずいぶん前から国の政策やニュースでも触れられている通り、日本では少子高齢化の進行により、あらゆる分野で人材不足に陥ることが明らかです。

人材サービス関連は息の長いテーマ

2050年前後には、日本の人口は1億人を割り込み、2020年には7482万人を数えた15~64歳の生産年齢人口は、2050年には5366万人まで減ると予測されています。この30年間で2000万人以上も働き手が減る可能性があるのです。

そうした予測を踏まえると、人材サービス関連の銘柄は、相当息の長いテーマだと期待できます。マクロの視点でも、そして私が現場で得たミクロの視点でも、人材サービス関連の銘柄は、これからもっと伸びるだろうと考えられるのです。

成長性のあるビジネスモデル

人材サービス関連の銘柄に私が目を向けたもう1つの要因は、割安なのに配当利回りがよかったことです。そしてコツコツと継続的に増配する銘柄が多かったのです。

増配に意欲的なのは、見方を変えると、投資家への配当金に余剰資金を回せるくらいキャッシュフロー(現金収支)に余裕があるということ。

さらに増配を継続できるのは、中長期的にサービス利用の需要が見込める成長性のあるテーマに即しており、コンスタントに利益を上げ続けられるビジネスモデルを構築しているから、ともいえます。

「バスケット買い」で広くタネをまく

ただ、少子化・人材不足を背景として人材関連サービスが有望なのはわかりましたが、そのなかでどの銘柄の業績が伸び続けるのか、まではわかりません。テーマ全体が伸びるなか、自分が集中投資した銘柄は伸び悩み、同じテーマ内のほかの銘柄が伸びることも考えられます。

そこで私は、人材サービス関連のなかでも、これぞと見込んだ銘柄に集中投資するのではなく、興味を持った特色ある銘柄に100株ずつ手広く投資したのです。

一種の「バスケット買い」的な買い方です。バスケット買いとは、機関投資家や投資ファンドがインデックスファンド(株価指数などの指標に連動した運用を目指す投信)を運用するときなどに、15銘柄以上を1つの商品としてパッケージ買いすること。ここでは、同じテーマに関する銘柄を複数買い集めることを指します。

この広くタネをまく作戦が功を奏して、これらの人材サービス関連の銘柄は、早いものでは購入から2年、平均すると5~6年で10倍株に育ちました。私が注目した当時はまだ人気のないテーマでしたが、人材サービス関連は10倍株の宝庫だったのです。人材サービス関連で、私が保有している10倍株には、次のような銘柄があります。

【10倍株(テンバガー)連発!】テンバガーハンターが目をつけた“投資対象の注目情報”

※本稿は『サラリーマン投資家が10倍株で2.5億円』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。