業界・企業・職種ごとに
賃金の「カーブ」と「バラツキ」を見ると?
以下が、業界・企業・職種のおおまかな分類である。バラツキというのは、同期入社の間での格差の度合いを指し、「〇〇年入社なら〇年目に同期全員、ほとんど年収〇〇〇万円で同じ」ならバラツキが小さい。
右上(後払いでバラツキ小)と左下(今払いでバラツキ大)はわかりやすいと思う。左上は出世できないとあまり旨味がない業界なので特に業界の中堅以下は、空手形にならないよう注意が必要である。右下は規制や歴史に守られているものの、プラチナチケットで数が少なすぎ、中途市場が未成熟である。
ただ、こうしたカーブや分布については、企業に聞いても教えてくれない。退職金制度も、社員でさえ、ほぼ知らない。本来は、定量的に開示させるほうが不確実性が減るため、雇用流動化にプラスとなる。入社前後のギャップを減らし不本意な離職を防ぐという点からも正しい政策であるが、経団連が反対するだろう。
手法は本書内で幾度となく記しているものと同じになってしまうが、中途採用なら、同年代の社員に会わせてもらって率直に尋ねる。新卒ならOBOG訪問して聞く。それくらいしかないのが実情である。