この数十年にわたりグローバル化が進んだ結果、食料品の種類は増え、そのコストは下がった。だが新型コロナウイルス禍やウクライナ戦争といった世界的な混乱を受け、この複雑なサプライチェーン(供給網)が食料品価格をより不安定にしかねないことも明らかになっている。米国などでは今年、食料品価格の上昇率が数十年ぶりの高水準に達し、消費者物価全体の伸びを上回っている。国連食料価格指数によると、世界の食料品価格はこの数週間こそ伸びが鈍っているものの、2020年初めにコロナ禍に見舞われる前の水準をなお25%上回る。食料品業界幹部やエコノミストは価格を押し上げている要因として、コロナ禍に伴う生産・物流の混乱や、ウクライナ戦争がエネルギー・穀物価格に及ぼしている影響を挙げている。こうした問題は解消に向かうとみられ、一部のサプライヤーは本国に近い地域からの調達を目指す意向を示しているが、アナリストは価格変動がより頻繁に起きると予想している。
食料価格は一段と不安定に グローバル化の代償
輸入される食品と関連原材料は、ほとんどの国で値上がりし続けている
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