2020年1月、起業家イーロン・マスク氏のトンネル掘削ベンチャー、ボーリング・カンパニーから突然、米カリフォルニア州サンバーナディーノ郡交通局宛てに提案書が届いた。交通局はオンタリオ国際空港とそこから4マイル(約6.4キロ)離れた通勤電車の駅を結ぶ路面電車の建設計画に着手していたが、その費用は10億ドル(約1400億円)超と見積もられていた。これに対しボーリング・カンパニーが提示した費用はわずか4500万ドル。自律走行する電気自動車(EV)で行き来できる地下トンネル建設を提案した。トンネルに革命を起こしたというボーリングの売り込みと、EVメーカーのテスラ経営者と仕事をするという名誉にひかれ、交通局は従来の路面電車計画を捨て、その未来型トンネルを採用した。
マスク氏トンネル革命、都市はドタキャンに当惑
「魂を破壊する渋滞を解決する」と売り込んだが
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