手錠を掛けられた男写真はイメージです Photo:PIXTA

今年最も注目された事件と言えば、間違いなく「安倍元首相銃撃事件」だろう。殺人容疑で送検された山上徹也容疑者(42)は11月29日が鑑定留置の期限だったが、来年1月10日まで延長された。動機について「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)=以下、教団=と、安倍元首相がつながっていると思い狙った」と供述している山上容疑者。奈良地検は起訴すれば公判で刑事責任能力が焦点になるとして、事件当時の精神状態を慎重に調べている。(事件ジャーナリスト 戸田一法)

山上容疑者が開いた
「パンドラの箱」

 山上容疑者は7月8日午前11時半頃、奈良市西大寺の近鉄大和西大寺駅前で、街頭演説をしていた安倍晋三元首相(当時67)に向け手製銃で発砲したとして、殺人未遂の疑いで現行犯逮捕された(その後、安倍元首相が死亡したため、殺人容疑で送検)。

 奈良県警は凶器となった銃や銃弾について銃刀法や武器等製造法、火薬類取締法違反、教団関連施設が入るビルに試射したとして建造物損壊、参院選期間中に選挙の自由を妨害したとして公職選挙法違反の容疑でも捜査を続けているもようだ。