連載を締めくくるのは、知日派として知られる国際政治学者、ジョセフ・ナイ・米ハーバード大学特別功労名誉教授の安倍晋三氏への評価だ。特集『安倍晋三 レガシーの検証』(全9回)の最終回ではナイ教授がダイヤモンド編集部にコメントを寄せ、国際政治における安倍氏の功績を二つ指摘した。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)
米国を代表する国際政治学者が
評価する「安倍外交」のレガシー
安倍晋三元首相は外交において、プラグマティスト(現実主義者)としての姿勢を徹底したといえる。この安倍外交への評価を、米ハーバード大学特別功労名誉教授のジョセフ・ナイ氏に聞いた。
ナイ氏は米国を代表するリベラル派の国際政治学者であり、カーター政権で国務次官補、クリントン政権で国防次官補を務めるなど、民主党知日派の重鎮として知られている。
安倍氏は最重要同盟国である米国との関係においては、大統領の政治思想や振る舞いのいかんを問わず、良好に保つよう努めた。どの国に対しても自国第一主義的に交換条件を求めるドナルド・トランプ氏とも、安倍氏はうまく関係を構築し、“猛獣使い”ぶりを示した。
これについてナイ氏は、次のように評価している。