中国政府がかたくなに続けていたゼロコロナ政策が、国民の反発を受け、ついに緩和を余儀なくされている。これにより、長らく低迷していた中国株は上昇するだろう。だがどこまで上昇するかは、中国の経済活動再開によって住宅市場も回復するかどうか、また新型コロナ感染の「エグジットウエーブ(出口波)」の痛手がどの程度になるかにかかっている。3年近くにわたって厳格なコロナ抑制措置をとってきた中国も、ようやくもう十分だと判断したようだ。北京など一部の主要都市では、感染者数は依然高止まりしているにもかかわらず、市民の移動制限や検査義務などのコロナ抑制策が緩和された。政府はまた、今年半ばにワクチン接種推進の勢いが弱まった高齢者への接種を再び推し進めている。これは、慎重な経済再開がついに近づきつつあることを示す重要なシグナルだ。習近平国家主席は先週、中国を訪問した欧州連合(EU)高官に対し、コロナウイルスの致死率は以前より低いと述べた。国営メディアもコロナの危険性に関する表現を和らげている。
中国株の上昇、楽観するのは時期尚早
カギを握るのは住宅市場の復活とコロナ「出口波」
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