米テスラの電気自動車(EV)を買う理由はクールだからか、それとも効率的だからか? 同社の大型トラックの展開には、その答えが重要だ。テスラの最新車両はクラス8の電動大型トラックだ。これまで慣れ親しんできた乗用車の市場とは、まったく異なる市場で競争することになる。トラックの購入者は通常、車両価格とランニングコストの見積もりを組み合わせた厳格な「総所有コスト」計算に従って車両を選択する。利益率の低い物流ビジネスでは、ブランドや美観を追求する余地はあまりない。テスラもそのことは承知しているはずだが、それでもこの大型トラック「セミ」をまるで消費者向け商品のように宣伝することをやめない。「もしあなたがトラック運転手で、道路上で最強のトラックを望んでいるなら、これがそれです」と、先週の発表イベントでイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は言った。同社のウェブサイトで最初に目にするセミの性能の詳細は加速度だ。これは従来、企業の車両バイヤーが気にすることではない。