自動車ディーラーはここ2年近く、深刻な供給不足に見舞われる中で、在庫を確保することに注力してきた。だがここにきて、ようやく手に入れた商品の売れ行きを心配する声が目立ってきた。ディーラー店舗では2021年半ば以降、品薄状態が続き、予約待ちの長いリストができた。つまり、工場から出荷される新車の大半はすでに売却済みで、販売価格も希望小売価格を大きく上回っていることが多かった。足元では供給のひっ迫が薄れつつあるが、ディーラーからは景気見通しの不透明感と金利上昇が需要を下押しし始めているとの指摘が出ている。ニュージャージー州で現代、ジェネシス、GMCなどのブランドを販売するディーラー経営者、ピーター・ランザベッキア氏は「今も半年~9カ月も入荷待ちの顧客によるペントアップ(先送り)需要がある」と話す。「だが、いずれは枯渇する。来年の業績を非常に心配している」