ロシアのエネルギー産業に対して、再び厳しい制裁措置が導入されたが、原油市場は反応薄だった。相場の高騰を回避できたことは、米当局者にとってひとまず勝利と言えそうだ。米国は原油の国際貿易を混乱させかねないとして、欧州の制裁措置を薄めようと努めていた。高騰するどころか、北海ブレント先物は11%近く下落し、1年ぶりの安値に沈んだ。スタンダードチャータード(スタンチャート)のコモディティー(商品)分析責任者、ポール・ホースネル氏は「市場は比較的冷静に受け止めている」と話す。当初はロシアが原油供給を武器に、制裁発動の直後から報復に出ると見込んだ取引が膨らんでいた。ところが、ロシアが行動に出なかったことで、読みが外れた投資家が手じまいを余儀なくされ、価格を下押ししたという。
ロシア原油の価格上限、影響はこれからか
原油市場は材料視せず、効果を判断するのは時期尚早との声
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