暗号資産(仮想通貨)交換業で世界最大手のバイナンスは最近、事業の透明性を確保すると確約したが、会計および金融の専門家らによれば、投資家が同社の先行きに自信を持てるだけの意味のある情報が開示されるまでの道のりは遠い。暗号資産交換業者FTXの経営破綻を受け、バイナンスは預かり資産の安全性について顧客を安心させようと努めている。バイナンスのこうした姿勢は、その成否が暗号資産市場全体に大きな影響を及ぼすことを示している。バイナンスの最高戦略責任者、パトリック・ヒルマン氏は、「FTXとは異なり、財源が枯渇した状態ではないと顧客に示すことが重要だ」と話す。バイナンスはこの1カ月、暗号資産のウォレットアドレスの詳細を公表してきた。小規模な金融データを含む、同社の資産と負債の一部に関する「準備金報告書の証明」を行うため、会計事務所と契約した。同社はまた、追加の情報開示を行うと約束している。