12月といえば「大掃除」。家の片づけやモノの整理に精が出る季節だ。しかし、「モノが多すぎる」「何を捨てればいいのかわからない」という悩みを抱えている人は少なくないだろう。
そこで参考になるのが、著作・監修を担当した書籍が世界累計600万部を超えている、「断捨離」メソッドの第一人者・やましたひでこさんの『人生を変える断捨離』だ。モノを捨てる基準や、家が驚くほどスッキリする収納法など「断捨離のすべて」を全公開した本書より、「なぜか居心地の悪い家」の残念な共通点を明かす。(構成/根本隼)
「片づけ」は手段であって目的ではない
モノの多さに悩まされている人は、目の前のモノを「どうにかしたい」一心から、「片づけなきゃ!」という強迫観念にとらわれます。その結果、片づけ術や整理術の本を買いあさって実践するものの長続きせず、また別の本を買い……ということを繰り返してしまいます。視野がとても狭くなっている状態ですね。
では、ここで一度立ち止まって考えてみます。そもそも、「片づけをすること」が私たちの目的でしょうか?
私たちが本当に手に入れたいのは「自分が心地よくいられる住空間」のはず。だとすると、「片づけ」はそのための手段に過ぎません。
なぜか居心地の悪い家の共通点=「どう暮らしたいか」が不明瞭
ですから、優先すべきは「片づいた後の住まいでどんな暮らしをしたいのか」という、あなたのビジョンを明確にすることです。
●北欧系の雑貨や白木の家具を配したシンプルな空間
●アジアンテイストの布や籐の家具に囲まれたエスニックな空間
●仕事を優先するための機能的でスタイリッシュな空間
などなど、本来は人の数だけ「憧れの居住空間」のイメージがあるはず。ところが残念ながら、多くの人はそうしたビジョンが不明瞭です。ビジョンの持ち方すら忘れてしまった人が少なくありません。
住まいの「ビジョン」を見つめ直そう
そういう場合は、「モノを手放す」行動を繰り返しながら、モノを通じて自分のビジョンを見つめ直し、住まいの明確なカタチを思い描いてみます。すると、おぼろげながら、
「そういえば、私はゆったりした空間に憧れていた」
「大切にしたいのは、効率より家族との関係性だった」
「住まいの理想と現実がかけ離れていることに、何の問題意識も持っていなかった」
など、「どう暮らしたいか」という原点に立ち戻ることができ、断捨離を実践する上での原動力にもなっていくのです。
(本稿は、『人生を変える断捨離』より一部を抜粋・編集したものです)