12月といえば「大掃除」。家の片づけやモノの整理に精が出る季節だ。しかし、「モノが多すぎる」「何を捨てればいいのかわからない」という悩みを抱えている人は少なくないだろう。
そこで参考になるのが、著作・監修を担当した書籍が世界累計600万部を超えている、「断捨離」メソッドの第一人者・やましたひでこさん『人生を変える断捨離』だ。モノを捨てる基準や、家が驚くほどスッキリする収納法など「断捨離のすべて」を全公開した本書より、「モノが捨てられない人」の性格の特徴を明かす。(構成/根本隼)

【年末の大掃除でわかる!】「片づけがヘタな人」に共通する残念な特徴・ワースト3Photo:Adobe Stock

「片づけがヘタな人」の残念な特徴3つ

 長年、モノと人との関わりを見続けてきて、「捨てられない……」と嘆く人のタイプには、次の3つがあることがわかってきました。

●現実逃避型…多忙で家にいる時間が少ないため、当然、家のメンテナンスは先送りのタイプ。家が散らかっているので、なおさらに家にいたくないという悪循環に陥っている。

●過去執着型…昔のアルバムや手紙など過去の遺物や記念の品を大事に取っておくタイプ。現実に目を向けたくないと同時に、かつての幸せな頃へのこだわりが隠されている。

●未来不安型…「ないと困る」「なくなると心配」など、いつか起こるかもしれない未来への不安要素に投資するタイプ。3タイプの中でいちばん多いタイプがこれ。

「モノが捨てられない人」の残念な口グセとは?

 「3タイプあります」と言うと、あたかも3タイプにくっきり分かれるかのように思われがちですが、どれかの傾向が強いということは多少あるものの、この3つの要素は誰の心の中にでも混在しています

 ですから、「自分は3つのうち、どの傾向が強いか」を理解しておくと、自己理解が深まり、断捨離に取り掛かりやすくなります。

 「過去執着型」タイプの人の口ぐせは「もったいない」です。モノを惜しむ気持ちを表す言葉でもありますが、モノを捨てることを回避するための免罪符として使われることが多々あります。

「すてる」には2つの意味がある

 私たちがふだん何気なく使う「すてる」という言葉には、2つの漢字があります。

「捨てる」・「棄てる」

 仏教用語に「喜捨(寺社や貧者に金品を寄付すること)」という言葉があるように、「捨」には「ほどこし」の意味があります。一方の「棄」は、「廃棄」の「棄」です。物体としてそのまま、見向きもされず打ち棄てられているイメージ。「不法投棄」は、そのわかりやすい例です。

 断捨離は、「棄てる」ことを最も憂い、「捨てる」は手段の1つと考えます「捨てる=出す」なのです。

「捨てる」ことでモノとの関係性が回復する

 モノを「捨てる」作業は、たしかに辛いもの。「何でこんなもの買ってしまったんだ!」と怒りすら込み上げることもあるでしょう。「もう二度と買わない!」と涙ながらに決意することもあるでしょう。

 けれど、その後に続く作業が「棄てる」ではないことを、覚えておいてください。自分とモノとの関係性を取り戻すために、1つひとつ見直して自省とともに、捨てていく。捨てることは、自分と向き合うことなのです。

(本稿は、『人生を変える断捨離』より一部を抜粋・編集したものです)