誰しも悩みや不安は尽きない。寝る前にイヤなことを思い出して、眠れなくなるなんてことも……。そんなときの助けになるのが、最新刊の感動小説『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)だ。ゲイのカミングアウト、パートナーとの死別、うつ病の発症……苦しんだ末にたどり着いた、自分らしさに裏づけられた説得力ある言葉。とても読みやすいオムニバス形式の8つのショートストーリーは、ふと心が落ち込んだとき、そっと心の執着を手放すための優しい言葉を授けてくれる。YouTube「精神科医Tomyの人生クリニック」の心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で、気分はスッキリ、今日がラクになる!
「自己肯定感」の勘違い
自己肯定感が低いことに悩む人は多いです。自己肯定感のある人は、自然と備わっているがゆえに、自己肯定感について考えたこともなかったりします。その一方、自己肯定感がない人は、自分にないものを追い求めることもあって、ツラい気分になりがちです。
そもそも自己肯定感というは、簡単にいうと、「自分はそのままでいいよ」という感覚を持っているか、そういう感覚を持っていない自分でさえも、そのままでいいと思える人は、十分に自己肯定感があるといえます。
「自己肯定感=自信」というふうに考えがちなのですが、ちょっと違うんですね。自分がそのままでいいという感覚を持っている人は、自分のやることがうまくいくか、いかないかとか、他人からどう見えるかということを、それほど気にしません。
「自分軸」か「他人軸」か
自分が主体的にやりたいことを楽しそうにやっている人が、自己肯定感が高い人なんですね。自己肯定感が低い人は、そういうふうに考えられません。つまり、うまくいっているかどうかより前に、自分のやりたいことすらわからない人もいるわけです。
なにかをやろうとするときに、「他人にどう見えるか」「恥ずかしくないか」「評価されるだろうか」なんて、他人の顔色をうかがいながら行動するクセがついていたりします。要は言動の視点が、自分軸か他人軸かの違いなんです。そこを変えるしかありません。
自己肯定感がない人は、他人の顔をうかがいすぎて、「これだったら他人に気に入られるかな」みたいに、他人軸で行動するクセがついてしまっているので、自分の本当の気持ちがよくわかっていないことが多いんです。
自分の気持ちに気づく練習法
だから、まず自分の気持ちに気づくということが大切になります。自分の意見、自分のやりたいことを意識すること。具体的な改善策としては、いろんなことに対して自分がどう思うかを、ひたすら書き出して、自分の気持ちを理解する練習をすると効果的です。
ほんの些細なことでいいんです。むしろ、些細なことのほうが自分の意見わかりやすいです。「明日の昼、なに食べようかな」とか、「好きか嫌いか」を2択で考えるとか、意見がはっきり出る答え方をしてみてください。いずれにしても、自分の気持ちに正直になる練習をするということなんですね。
いずれ自分の意見を述べることに慣れてきたら、「将来、なにになりたいか」とか、だんだん大きなことについて答えてみてください。「これだったら恥ずかしくないかな」「親にどう思われるかな」なんて他人軸の考え方が頭に浮かんだら、全部消し去ってください。
自分軸で動くと楽しいことに気づく
誰にも評価されなくていいし、誰にも説明しなくていいとして、自分はなにがしたいか、どうなりたいかを正直に書き出してみる。そして、書き出したことを実行してみると、意外とうまくいくことが体感できます。自分軸で考えて行動することが、じつは楽しいことに気づくと思うんです。
自己肯定感というのは、人生経験を重ねていくなかで育ってく面もあります。なるべく他人からどう思われるかを気にせずに、自分の気持ちに気づいて、その通りに行動する。これができればできるほど、自己肯定感は高まります。
本稿は『精神科医Tomyが教える 心の執着の手放し方』(ダイヤモンド社)の著者が日々お届けする“心のサプリメント”です。