デスクワークなどで血行不良を感じたときにできる超簡単な「自力整体」
――そして「あったかくて、柔らかい体」を取り戻されたというわけですね。
矢上:そうなんです。「あれ、なんだか体が軽い、生きやすい!」って、しみじみ感じました。それからは、止まっていた人生が再び動きはじめました。この話をするとロンドンの友人たちが「自力整体」に興味をもってくれて、小さいワークショップをおこなったんです。
ある人から「指の関節の痛みが気にならなくなった」と言われ、どんどんクチコミで「自力整体」の噂が広がり、ヨーロッパ各地やカナダでもワークショップをおこなうようになったんです。その後、ロンドンの大学院で「身体」を根本から学び、帰国後、父のもとで本格的に「自力整体」の技術を習得したのです。
――現在、老若男女関わらず多くの方が、矢上さんのクラスを受講されていますね。
矢上:私自身「自力整体」に救われ、以前よりも生きやすくなったので、様々なお立場の方が共感してくださるのかもしれません。プロのアスリートの方もおられます。夜は副交感神経を優位にして、体を休息させたいとのことで、「自力整体」を活用してくださっています。
――矢上さんの著書『すごい自力整体』は、お父様が築き上げられたメソッドと、何か違いはありますか?
矢上:父の「自力整体」の基本をベースにしながら、初心者の方にも理解していただけるように、わかりやすさを意識して再構築しました。かつての私のように仕事や生活に追われて体がカチカチな人でも今すぐ楽になる手軽さを重要視しています。
――とくに本の中の、全身をゆるめてほぐすワーク「20分間ショートレッスン」は、とてもカンタンなので、数回おこなったら本や動画を見なくてもできるようになりました。
矢上:それはよかったです! 動画は私の声でナビゲーションもしているので、慣れるまで音声を聴きながらおこなってもいいと思います。
――最後に、ウェブ読者のみなさんにオススメの、デスクワークなどで血行不良を感じたときにできる「自力整体」はありますか?
矢上:次の動きは、どこでもできるのでオススメですよ。
腕捻りのワーク
(手首をほぐして目の疲れを取り、猫背、巻き肩を直します)
1.両手を前に伸ばし、親指を下に向け、手首をクロスさせます。
2.てのひら同士を合わせて指を絡めましょう。
3.両手を胸に近づけて、下から上に伸ばします。
(伸びる人はヒジを伸ばしますが、ヒジが曲がったままでも構いません。気持ちよいと感じるところまで伸ばします。)
4.目をぎゅーっと閉じて、まぶたで眼球を押して押し込んでいきます。軽く両手も揺すりましょう。
5.十分ほぐれたら、息を大きくすって両手を胸に戻し、ゆっくりと吐きながら両手をはずしましょう。
6.反対側もおこないましょう。
矢上:デスクワークを長時間続けると、腕が内に捻れます。すると胸が縮み、呼吸が浅くなり、巻き肩、猫背になり、目も疲れます。
自力整体のこのワークは、反対に腕を外にねじる事で、胸が開き、呼吸が深くなり、姿勢が整って目の疲れも取れるのです。
【次回に続く】
『すごい自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています。(★一部動画でもご視聴いただけます)